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【2022VCT】「オフライン大会の凄まじい一体感を再確認した」VALORANT公式キャスター・yukishiro氏インタビュー


さいたまスーパーアリーナにて、6月25日から6月26日まで開催された「2022 VALORANT Champions Tour(以下VCT) Stage2 JAPAN Playoff Finals」。本記事では、2日間にわたって試合解説を務めた『VALORANT』公式キャスター・yukishiroさんのインタビューをお届けします。

ー国内初となる有観客の『VALORANT』オフライン大会を終えた率直な感想をお聞かせください。

yukishiro:有観客のオフライン大会ですが、オンラインでご自宅からご視聴されている皆様もいらっしゃいますし、僕自身は「できるだけいつも通りの気持ち」で望んだんです。

とは言え、それでも現地の歓声は凄まじかったですね。皆様の色んな歓声が聞こえてきて、むしろ僕がそこに影響を受けて高揚してしまう場面もありました。やはり興奮の度合いは普段のオンライン実況よりも強かったと思います。

ー観客の皆さんを含め、キャスター席の方々も大いに盛り上がっていましたね。

yukishiro:そうなんです。こっちもより内容に見入り過ぎちゃって(笑)。つい立ち上がったり台をバーン!ってしちゃったり、それぐらい影響を受けましたね。

ー「2022VCT Stage2 JAPAN Playoff Finals」の中で特に印象に残ったシーンをお聞かせください。

yukishiro:印象深いシーンは色々とあるので難しいところですが……個人的には”チーム全体の動き”にフォーカスしたいです。と言うのも、特定のプレイヤーに注視して「凄かったよね」と言ってみても、それは”チーム全体で改善した結果”だと思うんですよね。

例えば優勝を飾ったNORTHEPTIONの場合、”Meteor選手を主軸に戦う”という基本プランがあったと思います。それが通るか通らないかで戦況にブレが生じたシーンも本大会で見受けられましたが、試合を重ねるうちにその流れを露骨に変えていったと言うか、意識の持ち方を調整したように見えたんです。試合後のインタビューでもたNORTHEPTIONがおっしゃっていたように、「チーム全体がよりアクティブに戦いを仕掛けようと動いた」という点が、結果的にZETA DIVISIONの牙城を崩すきっかけになったと思います。

以前だとMeteor選手が相手のバックラインを潰す・奥へ踏み込んで人数を削るスタイルを取っていたところ、2日目の決勝戦ではチーム全員がアグレッシブに立ち回っていたんです。だから、相手の行動をイメージするのはもちろん、ZETA DIVISIONがどのようにローテートするのかを脳内でイメージしつつ、前線で勝負する戦い方に変化した。ここが個人的に大きな転換点だったと思います。

ー有観客のオフライン大会について、yukishiroさんから見た魅力をお聞かせください。

yukishiro:正直なところ、僕も実際に始まるまでは「一体どうなるんだろう?」と予想がつきませんでした。なぜかと言うと、今までのeスポーツ大会は無償で行われる場合が多く、一方の有料イベントはeスポーツ周りにおいて前例が少なかったんです。しかも『VALORANT』のオフライン競技大会に関しては今回が初。それでもたくさんの方に来ていただけましたし、現地の皆さんはとても満足していたように見受けられました。

何よりも会場の熱気が凄かった。周りを見れば歓声を上げ、選手のファインプレーに目を輝かせてスティックバルーンを叩く大勢の観客がいる。この光景を見た時、「盛り上がっているのは自分だけじゃないんだ!」という風に、きっと一体感が生まれたと思います。ほかにもOooDaさん(実況)の何気ないギャグに会場全体が静かになったり(笑)、本当にオフライン大会は観戦の醍醐味があるんだなと再確認しましたね。

ー国内のeスポーツシーンは客層面でも色々な変化が見られますが、yukishiroさんはどのように感じていますか?

yukishiro:今では”eスポーツ”という言葉もだいぶ定着しましたが、以前はやはりオンラインゲーム大会という呼称が多かったと思うんです。そこに携わる方々も当然、該当タイトルをプレイしているお客さんがほとんどでした。なので現地に数万単位の観客が集うことって難しかったし、オンラインイベントでも「大体1000人に見てもらえればベスト」という様子でした。

今と昔で大きく変わったのは、”そのタイトルをプレイしていないけど観戦に来ました”という方々が増えたことだと考えています。この流れ自体は『VALORANT』から始まったのではないと思いますが、eスポーツシーンの変化で言えば大きな点ですよね。これに加えて、”プロゲーマーやストリーマーにスポットライトが当たるようになった”のも見逃せません。選手のプレイ面はもちろん、ビジュアルや人となりにフォーカスするファンが増え、競技シーンを見る楽しさを知った方々が大勢いる。そういうお客さんがいるからこそ、よりプロチームや選手が身近な存在として認知されるのではないでしょうか。もし自分がこの世代でプロ活動を続けていたらどうなっていたんだろうって考えることが時々ありますね(笑)。

ー最後に、「2022VCT Stage2 JAPAN Playoff Finals」を勝ち抜いたNORTHEPTIONの方々へメッセージをお願いします。

yukishiro:国際大会が初めてということもあり、NORTHEPTIONにとって緊張感の溢れるチャレンジになると思います。海外の渡航経験・体調管理・普段と異なる環境……色々と考えられますが、やはりNORTHEPTIONの皆さんには、全てにおいて後悔の無い戦いをしてもらいたいです。

前大会で世界3位まで勝ち上がったZETA DIVISIONを越えたいというプレッシャーは彼らも感じていると思いますが、特徴の異なる海外チームの全てを上回りたいと無理に強張った瞬間、自分たちの得意なプレイスタイルを含め、これまで大切にしてきた軸がぶれかねない。その状態でもし負けてしまうと、自信を大幅に喪失する心配もあります。もちろん「結果がついていって欲しい」とは誰もが願っていますが、まずは自分たちに悔いが残らないよう、NORTHEPTIONらしい戦い方を常に選択して欲しいと思います!

RAGE総合プロデューサーの大友真吾氏さんのインタビューはこちらからご覧ください。

編集:eスポ編集部

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