『LoL』ストリーマー「よむ」が明かす”活動者”としてのポリシー「日頃から支えてくれているリスナーへ恩返ししたい」【Streamer図鑑 Vol.3-2】
「eスポーツニュースジャパン」(eスポ)では業界を取り巻くさまざまな時事ネタをはじめ、競技シーンで戦うプロゲーマー・ゲーマータレント・関係者など、eスポーツシーンの立役者を訪ね、取材を通して情報発信に努めています。
そしてこのたび、精力的なゲーム配信でコミュニティを日々盛り上げる「ストリーマー」に注力するべく、eスポは新たにインタビュー企画「Streamer図鑑」を立ち上げる運びとなりました。
本稿では、Twitchで『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)等のゲーム配信を行っている「よむ」さんインタビュー記事の後編をお届け。ストリーマー活動で嬉しかった瞬間をはじめ、「CRカップ」で獲得した賞金の使い道、今後の展望などにフォーカスします。
インタビュー前編:『LoL』ストリーマー「よむ」が振り返る配信活動デビュー秘話「人に笑ってもらうのがめちゃくちゃ好きだった」【Streamer図鑑 Vol.3-1】
「全力を尽くさなければならない」と強く感じた
ーーインタビュー前編では、よむさんが配信をはじめた経緯、活動のターニングポイント等についてお伺いしました。ここからもう少し掘り下げていきたいのですが、これまでの活動で最も心が踊った瞬間や嬉しかった出来事があれば教えてください。
よむさん(以下、敬称略):直近だと「しゃるる杯」や「CRカップ」に参加したことも嬉しかったのですが、もっとざっくり言うと、「活動者として色んな方々と共演させていただけたこと」が最高に嬉しいですね。正直に言えば皆さまと自分が同じ立場だとはまったく思っていなくて。これからずっと関わり続けていけるかというところは不安ですけど、少なくとも今は本当に一番嬉しく思っています。
ーー交流の機会が増えることはファンの目から見ても嬉しい変化だと思われます。『LoL』関連のイベント以外だと、2022年にvaultroomが主催した「VCR RUST」にも参加されていましたね。
よむ:そうですね。ありがたいことに参加させていただきました。先ほどお話しした通り(インタビュー前編)、そこで僕が以前から大好きだった「スタンミジャパン」さんと初めてお話させてもらいました。と言っても僕が襲われる側だったんですが(笑)。スタンミさんにゲーム内で拠点を木っ端微塵にされたんですけど、そういった形でも関わることができて嬉しかったです。
ーー振り返ってみると色々あったのですね。
よむ:色々ありますね。でも、配信中に苦労したことは本当に無いです。どちらかと言えば「ストリーマーとして活動している」よりも、「趣味で活動を続けていたら色々な機会をいただくようになった」というイメージなので、活動中に辛いと感じたことは正直無いと思います。それよりも、ゲーム配信と本業の両立がどうしても噛み合わなかった時期が大変でしたね。
ーー確かに。本業とストリーマー活動の両立は工夫が求められそうです。
よむ:会社に出勤して9時間ほど働いて、帰ってきてからゲーム配信を始める。このルーティーンを続けられない時期が半年近くあって、その時は1ヶ月に2時間しか配信できないような状況だったんです。
そしたらサブスクライバーの方が以前の10分の1になってしまいまして。でも、今は趣味で続けていたゲーム配信から色々な機会をいただきましたし、本当にありがたい限りです。先ほど話題に挙がったしゃるる杯は、お話をいただいた瞬間に「これは自分の全力を尽くさなければならない!」と思いました。
ーーしゃるる杯はリアルタイムで視聴していましたが……色々と凄まじかったですね。
よむ:一緒に戦ってくださる皆さんに失礼の無いよう、今まで貯めに貯めた有給を全て消化する勢いで練習に励みました。
自分が全く何もしないのは「失礼極まりないな」と思って。周りの方々に比べて正直劣っていると思っていて、他の人よりも努力しないのは到底考えられなかったんです。なので全力を尽くそうと思えましたし、「hachamecha(LoL元プロゲーマー)」さんにトータルで6万円分のコーチングをお願いするキッカケにもなりました。
ーーよむさんが努力している様子を含め、ある意味コーチングの過程がコンテンツとして上手くヒットしたように見受けられました。
よむ:ありがとうございます!スクリム期間中は「らいじん」さんやhachamechaさんに色々と教えていただいて、その中でコミュニケーションの仕方を見直すことができましたし、皆さんと関わる機会もいただけて本当にありがたい限りでしたね。
とは言え、本業よりも怒られるとは予想していなかったと言うか(笑)。まさかSNSで拡散されると思っていなかったので驚きました。
ーーコミュニティの方々もそれだけよむさんに注目していたのだと思います。
よむ:なぜかリスナーさんに「猫ミームみたい!」と言われて、動画まで作っていただいたんです。それをXにポストしたら、人生で初めて1万いいねを越えて。「なんで怒られているところがウケたんだろう」ってよく分からない状況に戸惑ってました(笑)。残念ながらしゃるる杯では結果を残せなかったんですけど、CRカップでは自分の努力が成果に繋がったので本当に嬉しかったです。
賞金60万円は積み立てNISAへ。徹底したポリシーでリスナーに恩返しをしたい
ーーCRカップではKR(韓国)サーバーの猛者を相手に目覚ましい活躍をされていましたね。よむさんは賞金60万円を獲得されましたが、その使い道についてお聞きしてもよろしいでしょうか。
よむ:気になる賞金の使い道はほぼ決まっておりまして……。私よむ、なんと賞金60万円を全額NISA(少額投資非課税制度)で積み立てます!
ーー堅実な使い道ですね…!具体的な理由をお聞きしたいです。
よむ:今は社会人として一般的な職業に就いていますが、もちろん活動者としても頑張りたいという気持ちがあります。なので今の業務を止めたとしても、例えば働いていなくても安定した収入が得られるような状態を目指しているんです。それが活動を長く続けていくことにも繋がると思います。
実は僕、配信を通して得たお金を振り込むための口座を別で作っていて。配信活動で収益が出ても、自分の娯楽等のために使わないようにしているんです。それよりも、皆さんからいただいたお金は活動を行うための機材調達へ回したいし、配信を今まで以上に頑張ることが結果的に皆さんへの恩返しになると思ったんです。
ーー配信活動を続けていく上での、揺らぐことのないポリシーでしょうか。
よむ:そうですね。これはもう活動を始めた当初からずっと言っています。「みんなから貰ったお金は絶対に無駄にしない」ってずっと言っていますし、この意識をずっと持ち続けています。
生活費や遊ぶためのお金は自分で稼いで、CRカップの賞金や皆さんからいただいたお金は別で使い道を用意する。これは今後ひっくり返ることが無いと思いますし、出来るだけ配信活動へ還元したいです。
ーー今回はインタビューを通して、よむさんのストリーマー活動に関するお話をお聞きしました。そろそろ終盤に差し掛りますが、直近の展望や今後チャレンジしてみたいことをお聞きしてもよろしいでしょうか。
よむ:僕は正直、活動者としてはまだまだ未熟だと思っていて。と言うのも、「周りの方々に迷惑をかけたくない」という気持ちが一番強いんです。なので一人で配信している時は目も当てられないような内容もありますが、他の方々とコラボさせていただく時は迷惑にならないよう徹底したいと思っています。
特に最近は本当に有名な方々と交流する機会をいただいていますし、「誰かに追いつきたい」と言うよりも、まずはコラボ時の言動やマナーに意識を向けたいです。まだ分からないこともありますけど、ひとまず嫌われないことが一番大事かなと思っています。
ーーなるほど。配信活動や生活面も含め、「数年後にこうなっていて欲しい」といった”自身の理想像”はありますか?
よむ:明確なビジョンで言うと、「目標貯金額の達成」ですね。これは予想なんですけど、あと4~5年ぐらいで目標貯金額に到達すると思っていて、そこからは本当に色んな選択肢が出来ると思うんです。まだ配信活動を続けているなら大きなお金を使って面白いことをやっても良いし、他にも出来ることが色々あると思います。
ーー先ほどのお金の使い方にも通じる部分と言うか、本当に大局を見据えて行動されているんですね。
よむ:とりあえず、今は自分のパワーを溜める期間だと感じています。今24歳なんですけど、あと数年で30歳になるわけじゃないですか。その時に活動者として新しい何かにチャレンジしたり、自分で何かしらの企画を考えてみたり……。あとは最近ハマっているポーカーのお店を出してみたりとか、目標達成までに色々と考えることがあると思いますし、今は自分が本当にやってみたいことを模索して、力を蓄えている段階ですね。
ーー溜め込んだパワーがどのように爆発するのか今後が気になります!最後に一言メッセージをお願いいたします。
よむ:まずは普段から配信を見てくださっている方、そして新しく僕の配信を見つけてくださった方、本当にいつも感謝しています。
これは僕の経験談ですが、「配信を見る」という行為は全く無駄ではないと思っていて。スタンミさんもそうですが、僕は『LoL』を本気で上手くなりたいと感じていた時、「しゃるる」さんの配信でJG(LoL内のロール)のやり方や配信中のトークを勉強していたんです。あの時の経験が自分の活動に生きていますし、配信を見ることはそれぞれの人生において無駄にならないと思います。
もちろん、配信を見てくださっている方々の時間を無駄にさせないよう僕も頑張っていくつもりです。これからも何卒よろしくお願いします!
ーー本日はありがとうございました!
取材&執筆:eスポーツニュースジャパン編集部/龍田
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