【PERSOLインタビュー】現場でのコミュニケーションを徹底し、業界の成長に繋がる企画を考えたい─eスポーツイベント制作の裏側─許 耀元
2023年11月から12月にかけて行われた「ライブリッツ esportsチーム グローバルオーディション」。本イベントは株式会社ライブリッツが新設する『Fortnite』プロチームのメンバーを選定するオーディションイベントで、総合人材サービスブランドである、パーソルホールディングス株式会社による支援のもと、『Fortnite』ストリーマーとして活躍するLiaqNさんがプロデューサーを務めました。
本稿では、同企画の最終オーディション会場で実施された”制作スタッフインタビュー”の模様をお届け。eスポーツ業界を日夜支え続ける専門職の方々へ、業界に興味を持つ学生陣がさまざまな質問を投げかけました。
今回インタビューにお答えいただいたのは、株式会社Reignite Entertainment(Reignite)でイベント運営に携わる許 耀元(キョ ヨウゲン)さんです。
イベント制作の魅力は「たくさんの人に出会える」こと
ーー簡単な自己紹介と、現場でどのようなお仕事をされているのか教えてください。
許 耀元さん(以下、敬称略):私は15歳まで中国にいた後にオーストラリアへ渡り、次に日本へとやって来ました。日本では株式会社JCGに就職してeスポーツイベント全般の知識を身に着け、今はReigniteでイベント運営や翻訳および通訳などに携わっています。
ーーeスポーツイベントの現場において楽しいこと、苦労したことについて教えてください。また、「ライブリッツ esportsチーム グローバルオーディション」の開催にあたって許さんが心がけた点はありますか?
許:仕事柄eスポーツイベントの開催に立ち会うので、色々なeスポーツプレイヤーの皆さんに会えることが嬉しいですね。彼らが快適にプレイできるよう、何かしら問題が生じた際でもふさわしい解決策を考えることに意義があると思っています。そうした競技シーンイベントだけでなく、誰もが参加できる企画を立ち上げられたら嬉しいです。それが結果的にeスポーツ業界の成長に繋がると思います。
あと今回の「ライブリッツ esportsチーム グローバルオーディション」に関しては、『Fortnite』というタイトルを扱う以上、海外パブリッシャーとのやり取りが必要になります。eスポーツイベントの運営者として、許諾の管理等は管理を徹底しなければならない部分ですね。
ーーeスポーツ業界で開催されるイベントは多岐に渡りますが、実際に企画を立ち上げる際はどのぐらい前から動くのでしょうか?
許:イベントの規模によりますが、最低でも3ヶ月前には動き始めることが多いと思います。とは言え一人ですべてを担うことはまず無く、足並みを揃えながらタスクを動かすことがほとんどです。
自己完結するのではなくコミュニケーションを大切に
ーーeスポーツイベントの制作現場において、タイトル間で共通する明確なマニュアル等はあるのでしょうか?
許:どのタイトルでも共通するマニュアルと言うよりも、「各タイトルごとに適した作業フローが存在する」というイメージに近いかもしれません。バトルロワイヤルゲームのように参加者が数十人規模になるタイトルもあれば、格ゲー作品のように人数が少ない場合もあります。
また、タイトルに応じて配信画面のレイアウトやスポンサーロゴの位置調整も必要です。すでに確立されたノウハウも一部ありますが、「ここはもっと良くなるのでは?」というふうに考えられると良いと思います。
ーー差し支えの無い範囲で構いませんので、eスポーツイベントの制作現場における失敗談や教訓があればお伺いしたいです。
許:月1ペースでeスポーツイベントの制作に携わっているので、そのたびにパブリッシャー側の規約等を頭に入れているのですが……それでも失敗することが稀にあります。
その際に大事なのは、「自分の中だけで情報を処理しない」ことです。必ずスタッフや出演者の方々とコミュニケーションをし、規約面でNGがあれば事前に組織で把握しなければいけません。ほかにも、競合タイトルを同じeスポーツイベントで扱うことは絶対にNGです。
それと、技術的なミスで大会の進行が何時間も遅れてしまうといった現場も過去にありました。そうしたミスを起こさないよう、事前にチェックを徹底するのも大切ですね。
ーーでは最後に、2023年のeスポーツイベント制作現場で最も印象深かったできごとについて教えてください。
許:私がReigniteに入ったのは最近のことですが、入社から間もない段階で様々な案件に関わることができました。eスポーツ制作に興味がある人は、ぜひ現場で色々体験しながら頑張ってみてください。
ーー本日はありがとうございました!
執筆:eスポーツニュースジャパン編集部