声優・髙橋麻里にとって『フォートナイト』は「我が家」。負けをお酒で流し、ソロで最高ランク到達。配信で見せる“素の自分”と、環境の変化さえ「ありがとう」と微笑む無敵のメンタルに迫る【インタビュー】
かつては女性グループ「Dorothy Little Happy」のメインボーカルとしてアイドル界を牽引し、現在は声優・アイドルとして多方面で活躍する髙橋麻里(たかはしまり)さん。2026年は髙橋さんにとって、まさに“原点回帰と進化”の年となりました。
寺嶋由芙さんら戦友と共に新ユニット「いにしえ永遠?」を結成し、今年から待望のアイドル活動を本格再開。3月の1stワンマンライブを成功させるなど、圧倒的な歌唱力と表現力で再びステージの上からファンを魅了しています。

声優を含む俳優業としては、『ぬきたし THE ANIMATION』(梅ノ木フク役)などの代表作に加え、『D.C.III~ダ・カーポIII~君と旅する時の魔法』といった舞台にも出演。そして2021年度からは、株式会社オブジェクトが手掛けるeスポーツ応援プロジェクト「声優e-Sports部」に3期生として加入。現在にいたるまで、各方面で精力的に活動を継続されています。
そんな髙橋さんが「人生を変えたと言っても過言ではない」と公言されている作品が、Epic Gamesより配信中のアクション/シューティングゲーム『フォートナイト』です。
今回はインタビュー企画を通し、『フォートナイト』と出会ったきっかけをはじめ、最高ランク「アンリアル」到達にまつわるエピソードなど、ストイックな挑戦を続ける髙橋さんの心境に迫ります。
きっかけは「声優e-Sports部」とプロデューサーの助言
ーー『フォートナイト』でアンリアル(最高ランク)に到達したお話をお伺いする前に、そもそも本作を始めたきっかけから教えていただければと思います。
髙橋麻里さん(以下、髙橋): 遊び始めたのは、2020年の5月くらいからですね。コロナ禍だったこともあるんですけど、ちょうど私が所属させていただいている声優e-Sports部が本格的に動き出した時期だったんです。
その当時、声優e-Sports部のオーディションを私が受けていまして。そこからメンバーの活動動画などを見るようになったのですが、吉村さん(声優e-Sports部プロデューサー)から「こういうゲームがあるんだよ」と教えていただいたりしたのが、プレイし始めたきっかけでした。
ーー『フォートナイト』はアクション性が高く、非常に動きの激しいゲームです。それまでに似たタイプのゲームを遊んだ経験はありましたか?
髙橋: いえ、全然やったことがなくて。もともと好きだったのは「スーパーマリオ」だったり、「どうぶつの森」とか「牧場物語」みたいな作品なんです。小さい頃から一人でのんびり進めたり、エンディングを目指したりするようなゲームばかり遊んでいたので、バトルロイヤルというジャンルは経験したことがなかったですね。
ーーこれまでのプレイスタイルとはかなりのギャップがありますね。
髙橋: もう本当にギャップがすごかったです(笑)。「誰と戦ってるんだろう?」と思った時、今までは対戦相手がNPCだったのが、いきなり「世界中の人と戦うんだ」って。まずそこに驚きました。
PS4からPCへ移行。ゲーム配信への興味が加速させた環境の変化
ーー実際に『フォートナイト』を始めてみて、最初はどのような印象でしたか?
髙橋: 最初は本当に何もわからなくて。だから苦労して建築を覚えたり、武器の使い方を覚えたり……。今までは「クリアして終わり」というゲームをやってきましたけど、そうじゃなくて、どんどん自分の技術を上げていく感覚が楽しくて。見事にドハマりしました。
当時はコロナ禍で家にいる時間が多かったし、ずっと没頭できるものを探していたので。そもそもゲームそのものに深くハマったタイミングが、その自由な時間のあった時期と重なっていたのかもしれないです。

ーー最初は家庭用ゲーム機でプレイされていたのでしょうか。
髙橋: そうですね。当時はPlayStation 4で遊んでいました。2020年の5月くらいに『フォートナイト』を始めて、その翌年にはゲーミングPCを買いましたね。
ーー PC環境でプレイするようになって、何か変化はありましたか?
髙橋: 色んな部分で変わったと思います。ちょうどその頃からゲーム配信にもすごく興味を持ち始めていたので、「PCを買ってゲーム配信をする」ということが、自分の中でモチベーションにもなりました。あとはやっぱり、純粋にプレイしやすい点も大きかったです。
ーーデバイスについてはパッドとキーボード&マウスがありますが、現在はパッドを使っているのでしょうか?
髙橋: 今はパッドをずっと使ってますね。キーボードとマウスも試したんですけど、全然できなかったんです。PCに移行したタイミングで一度変えてみて、「私には無理だ!」って痛感しました。とにかくゲームスピードが早いし、「指が10本じゃ足りないのかも」ってなりましたね(笑)。
女性声優界の最強を目指して。ランクマッチへ本格参戦
ーー2020年頃からプレイされているとのことですが、『フォートナイト』にハマった決定的なターニングポイントについて教えてください。
髙橋: ターニングポイントは、YouTubeで動画を熱心に見るようになったことですね。最初は自分でプレイすること自体にハマっていたんですけど、だんだん実況者さんや競技シーンの選手の方々の動画を見るようになって。それが、さらにのめり込む大きなきっかけになりました。HIKAKINさんやキヨさんなどの『フォートナイト』動画を見て、「私もこんな風に面白いことがしたいな」と思えたのも大きかったです。
ーーそれ以前は、あまりゲーム動画などは見られなかったのでしょうか。
髙橋: 全然見なかったんですよ。YouTube自体も、ゲーム実況者さんや配信者さんもあまり詳しくなくて。でも、「『フォートナイト』が上手くなりたい!」と思って、「初心者 練習」などで検索し始めたのが最初でした。
そこから建築のやり方を調べて、実況者さんや選手の動画に辿り着いたんです。階段の積み方とか屋根の使い方の解説動画を、0.5倍速にして、一時停止もしながら「この瞬間に指をこう動かしてるんだ!」って(笑)。手元の動きまでじっくり見て一緒に練習してました。
ーー『フォートナイト』をきっかけに、ゲーム配信や動画文化にもハマっていったのですね。途中で他のタイトルに触れる機会はありましたか?
髙橋: もちろんありましたよ。『Apex Legends』や『VALORANT』も、声優e-Sports部の配信やカスタムマッチで触れる機会があったので。でも私の場合、やっぱり最後は「『フォートナイト』が楽しいな」って戻ってきちゃう。もはや実家のような、我が家のような感覚なんです。自分でも不思議なんですけど、とにかく大好きなんですよね。
ーーゲームプレイだけでなく、オフラインイベントの裏方をお手伝いされていたとか。
髙橋: そうなんです!『フォートナイト』関連チームが開催したイベントで、友達から「手伝ってよ」と声をかけてもらって。こちらから「行きまーす!」ってお返事をして参加させてもらいました。プレイヤーとしてだけでなく、競技シーンそのものやオフラインの現場も大好きなので、今でもあちこち足を運んでます。
ーー最初からランクマッチは積極的にプレイしていましたか?
髙橋: それが、最初は全然やってなかったんです。当時は今とランク制度が違ったりもしましたが、とにかく怖くて……。敵が強いと思ってましたし、普通の通常モードばかり遊んでました。
ーーそこから、挑戦しようと思える心境の変化があったのですね。
髙橋: 声優e-Sports部に入った時、「『フォートナイト』で女性声優界の最強プレイヤーになりたい」という目標を掲げたのがきっかけです。
最近はゲーム好きを公表する声優さんも増えていますよね。そんな中で、自分だけの魅力や「人とは違う武器って何だろう」と考えた時、しっかり極めて結果を残したいと思ったんです。「好き」なのはもちろん大事だけど、挑戦して強くなろうと思いました。

ーー実際にランクに挑んでみて、最初はどのような印象でしたか?
髙橋: やっぱり最初は思うようにいかなかったですね。しかも私、「絶対にソロ(一人)でランクを上げる」と決めていたんです。誰かにキャリーしてもらうのではなく、自分の力だけで行ってやるという(笑)。そのぶん苦戦して悔しい時期もありましたが、やっているうちにもっと『フォートナイト』が好きになりました。上を目指す過程も不思議と楽しくて。
ーーランク戦はポイント増減もありますし、「もういいや」と投げ出したくなることはなかったのでしょうか?
髙橋: 全然ならないです! むしろポイントが下がった分は、その日のうちに取り返さないと眠れないというか、「減った分を戻してから寝ないと!」ってなります(笑)。なので精神面もこのゲームでかなり鍛えられました。
「負けたのは自分のせいだから気持ちが楽」――無敵のメンタルはソロランクで培われた
ーー実際にアンリアルまで到達されたわけですが、『フォートナイト』を始めたばかりの頃と今とで、ご自身が一番変わったと思う部分はどこですか?
髙橋: やっぱり一番はメンタルですね。もともと強い方ではあったんですけど、このゲームをやり込むようになって、さらに強くなったと思います。もう鋼を通り越して無敵に近い状態です(笑)。
ーーメンタルが非常に強いとのことですが、例えば何連敗もして厳しい状況になった際、どうやってその心を保っているのでしょうか。
髙橋:私の場合は一旦ゲームをやめて、お酒を飲みます(笑)。アルコールの力を借りてリフレッシュしてから、そのままお酒を飲みつつマッチに行くこともあります。
でもこれって、たぶんソロでやっているからだと思うんですよね。チーム戦だと、どうしても誰かのせいにしたくなる気持ちがどこかに生まれて、余計にイライラしてしまうこともあると思うんです。でもソロは全部自分の責任。負けたのは「今のは自分がダメだった!」と素直に思えるので、案外すごく楽なんですよね。
ーー先ほどもおっしゃっていましたが、心が折れないからこそ、ずっと『フォートナイト』でランクマッチに潜り続けられたんですね。
髙橋:そうだと思います。私、実はすごく飽き性で三日坊主なところがあったんです。今までのゲームも最初のステージをクリアしたらほぼ満足しちゃうタイプだったんですけど、『フォートナイト』だけはずっと続いていて。諦めない心だったり継続力は、ほとんどこのゲームに教えてもらった気がします。
ーー飽き性だというのが意外に感じました。何か継続の秘訣はあるのでしょうか。
髙橋: 今の『フォートナイト』には1日1回だけ、試合の順位が悪くてもポイントが下がらない「ランク保護」という制度があるんです。だから「1日1回は必ずランクをやる」と決めていて。毎日ちゃんと起動してプレイし続けているのは、自分でもすごい成長だなと思いました。今はXで「まりぽよ腹筋日記」という企画もやっているんですけど、これも『フォートナイト』で培った継続力のおかげというか。本当に人生そのものに影響を与えてくれたゲームですね。
ーーストイックに打ち込まれている中で、ご自身の「プレイスタイルの強み」はどこにあると思いますか?
髙橋: ありがたいことに、周りからよく褒めていただくのはエイムです。そこは自信があって、あとは「視野が広いね」ともよく言われます。『フォートナイト』って瞬時に考えなきゃいけないことが多いんですけど、元々マルチタスクが得意なので、そこは向いているなと感じました。
ーー「マルチタスクが得意」というのは、具体的にどういった場面で実感しますか?
髙橋: 『フォートナイト』をプレイしながら滑舌練習をしている時ですね(笑)。例えば1マッチ20分くらいあるとして、安地(安全地帯)への移動中や資材を集めきって籠もっている時、ちょっとした空き時間が生まれるんですよ。その時にスマホで収録台本をチェックして、声を出しながらプレイしてます。
ーープレイ中に台本チェックをしている方を初めて拝見しました……!だからゲーム配信でも、コメントを拾いながらのプレイが苦にならないのですね。
髙橋: 全然苦じゃないです! むしろ楽しいですよ。それに配信外で遊んでいる時って喋る相手もいないし、タイミング的にもちょうど良いのかなって思います。
ーー先ほどの降格保護のお話もそうですが、他にルーティンにしていることはありますか?
髙橋: 情報収集は欠かさず行ってますね。『フォートナイト』って同じシーズン内でも、急にコラボイベントが来て武器が変わったり、マップの街がいきなり隕石で消えたりする、良い意味で予想外なゲームだと思っていて(笑)。だから常にXや動画で最新のメタ(流行)を追うようにしています。
ーー急に環境が変わることに対して、不安と期待、どちらの気持ちがが強いですか?
髙橋:期待の方が強いです!新しい要素が来るとワクワクしますし、色んな変更があったとしても、「ありがとうEpic Gamesさん!」って感謝しながら受け入れてます(笑)。
お酒を飲む姿も「素」のひとつ。ゲーム配信はファンと繋がる大切な居場所
ーーYoutubeで精力的に『フォートナイト』配信をされていますが、ゲーム配信という場所は、髙橋さんにとってどのような空間ですか?
髙橋: 「自分の素を見せられる場所」ですね。実はもともと、SNSやライブではあまり素を見せないタイプで、配信も「ずっと話し続けるなんて無理!」と苦手意識があったんです。でも、いざ始めてみるとコメント欄との会話が楽しくて。「どんな話をしてもみんなが反応してくれる、ありのままの自分でいいんだ」と思えるようになりました。昔ならお酒を飲む姿を見せるなんて考えられなかったんですけど、今はファンの皆さんに本当の自分を知ってもらえる大切な場所だと思ってます。
ーー配信中、心ないコメントが飛んでくることもあるかと思いますが……。
髙橋: もちろんありますよ。でも、私はそれをそのまま受け止めるのが大事だと思うんですよね。「下手な私が頑張ってアンリアルまで行けたら、最高にかっこいいでしょ?」って。上手い人のプレイを見せるのも配信ですが、私は「自分と同じようにプロではないけれど、頑張ればここまで行けるんだ」という希望をみんなと共有したいんです。
ーー『フォートナイト』を通じて学んだ「人生の教訓」はありますか?
髙橋: 「発信することの大切さ」ですね。好きなことや頑張っていることを周りに伝えるのって、実はすごく難しいことで。伝え方を間違えると上手く届かないですし、元々SNSも顔出し配信もすごく苦手だったんです。
でも、表情を見せた方が感情が伝わりやすいかなと挑戦してみたり……。そうした試行錯誤も含めて、自分を表現する方法を『フォートナイト』を通して学びました。
ーー有言実行でアンリアルに到達されましたが、次に挑戦したいことは?
髙橋:今は大きな夢が二つあります。一つは声優として、『フォートナイト』のキャラクターやナレーションで出演すること。そしてもう一つは、世界大会への出場です。
さすがにプロが凌ぎを削る競技シーンは厳しいかもしれませんが、プロとストリーマーがペアを組んで戦う「Pro-Am」枠なら、チャンスはあると思っています。なので日本を代表するストリーマーになって、いつか世界に挑戦してみたいですね。
ーー最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
髙橋:いつも応援ありがとうございます! 声優やアイドル活動に加えて、今はゲーマーとしても本気で『フォートナイト』に向き合っています。このゲームを知っている人はもちろん、知らない人でも私の配信を見て楽しんでもらえるよう全力で頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!
ーー本日はありがとうございました!

髙橋麻里 公式ページ
Web https://www.s-inc.jp/mari-takahashi
X https://x.com/takahashimari15
Instagram https://www.instagram.com/takahashimari15/
Youtube https://x.gd/rkbby
いにしえ永遠? 公式ページ
X https://x.com/inishietowa4
Youtube https://x.gd/IikQG
声優e-Sports部 公式ページ
Web https://seiyu-esports.jp/
X https://x.com/seiyu_esports
Youtube https://www.youtube.com/@seiyu-esports
TikTok https://www.tiktok.com/@seiyu_esports
取材:eスポーツニュースジャパン








