「もっと踏み台にしてほしい。まだ足りない。」日本eスポーツアワード・キャスター陣インタビュー
1月25日に東京国際フォーラムにて開催された「日本eスポーツアワード」で、キャスターを務めた皆さんに囲み取材を実施しました。
これからのeスポーツに求めていることや衣装のポイントなどにお答えいただきましたので、是非ご覧ください。
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本日の感想「ゲーム業界が横で繋がる場」
──それでは本日の感想をお一人ずつお伺いできればと思います。
貴島 明日香さん(以下、貴島):まず、このイベントにMCの一人として参加させていただいて本当に光栄です。やっぱりこんなにeスポーツプレイヤーの皆さんだったり、eスポーツ界を牽引してきた企業の皆さんだったり、ストリーマーの皆さんが一つの会場に集まることは、後にも先にもこの日本eスポ―ツアワードだけなのかなと思うので、この場に立つことができて本当に刺激的な時間でした。楽しかったです。
平岩 康佑さん(以下、平岩):今回日本eスポーツアワードで、ゲーム業界すごく横で繋がることができたし、その繋がりが認識できるような場になったんじゃないかなと思いました。
やっぱりゲーム業界は、一つ一つの世界・タイトルが本当に大きい規模でやっているし、それだけでとても大きなイベントになるんですけど、こうやって横の繋がりで新たなゲームを知ったりとか、新たな日本人選手たちの活躍を知ったりとかすごく良い機会になったんじゃないかなと思いました。
OooDaさん(以下、OooDa):貴島さんも言われてましたけど、eスポーツに関係する皆さんの中で、僕みたいなビッグな1タレントがこういった場に関わらせていただいて、本当に嬉しい限りでございます。
冗談はおいておいて、本当に一年に一回の祭典になれば良いなと思って、そこが同窓会じゃないですけど最近どうしてる?とかこういう若手が生まれてきたんだねとか、すごいねとか言い合う場になれば良いなと思って、来年も楽しみにしております。ありがとうございます。
岸 大河さん(以下、岸):今回の第1回目で、よりプロ選手にとって大切な場なんだなという認識をしていただいたのかなと思っております。多分ここの会場に来るまではどんな感じなのかなとか、不安だなとか、これに表彰されて嬉しいのかとか思った方も一部いらっしゃると思うんですけど、改めて表彰されて、「今年一年また頑張っていこう、また来年表彰されるよう頑張っていこう」と思った方もいらっしゃると思いますし、これを見て、ノミネートされた方々は来年は自分が受賞できるようにノミネートされるように、ファンのためにも自分のためにもどんどん成長していこうという刺激を受けたと思います。
あとはやっぱり世界中で活躍している選手がこういう風に集まって、普段海外で生活している方とか、普段常に海外渡航が多いけど日本に帰ってきてもずっと練習しかしていない方というのもいらっしゃると思うんですけど、それがぎゅっと今日に集まってきて、久しぶりに会ったねとか、海外に行ってるんだどういう生活なのとか、そういう選手同士のコミュニケーションが取れる場なのかなと思いました。ですので、また来年やりましょう!
──岸さん・OooDaさんにお伺いします。お二人は競技を経験されて、本日選手の兄貴分という目線で見られた部分も少なからずあったと思いますが、そういう目線から考えてどういう感情をもちましたか。
OooDa:学校の先生みたいな感じで。みんな頑張ってるなと思いながら温かい感じで見てましたけど、それこそ我々古くからみんなで大会やeスポーツがないというところからゲームをしてきて、多くの方に魅力が届いて、応援してもらって、このアワードということで改めて表彰していただいて、そしてまた応援して頂けるという、こういった場を提供してもらえるのは自分たちの成長にも繋がりますし、嬉しい限りですね。本当にありがたいですね。
岸:親心というのもあったと思いますが、若いプレイヤーがどんどん出てきて、今日のUnder18最優秀eスポーツプレイヤー賞を受賞したあcola選手、皆さん記憶に残っていると思うんですけど、あのフレッシュな笑顔、本当に受賞して嬉しいんだな、自分の成績が認められてこういう風に表彰されて、本当に嬉しそうだなと思いましたね。
あの笑顔を見て、その後の受賞者もある程度身構えていたけどこんなに嬉しい表情をしている選手がいると、自分もだんだん嬉しくなってくるという感じで、一番影響を与えた選手だったと思います。
僕はああいうのを見ていて、若い選手もどんどんこういう舞台に立ってほしいですし、こういう場というのは大人からみると大切、18歳くらいだとまだ大切じゃないように見えているけど、あcola選手は大切に見えていたというのがすごく大人の目線をもっているなと感じました。
僕が18だったら「あーこの賞ぐらいだったらどうってことねーよ、俺は世界一獲りたいんだ」というくらいの気持ちだったと思うんですけど、本当に謙虚なので、これからもどんどん成長が見られると思うとすごく楽しみです。
──貴島さんにお伺いします。凄まじいエイムをお持ちとのことだったのですが、お休みの日は大体どれくらいゲームされているのでしょうか。
貴島:昼から夜中までやったりするので、15時間とかやったりする日もあるんですけれど、最近はちょっとマネージャーさんから冷たい目で見られるので、控えております(笑)
平岩:15時間は結構危ないですよ(笑)
──それはマネージャーさんから何か直接言われたりするんですか、それか察しているのでしょうか。
貴島:察しています(笑)
──来年以降、ご自身がプレイヤーとしてこの場に立つという可能性はありますか。
貴島:全くございません。そういうのは全然なくて、いつまでもエンジョイ勢でいきたいなと思っています!
岸さんの受賞「OooDaを踏み台にして良かった(笑)」
──OooDaさんにお聞きしたいんですけれども、岸さんが最優秀キャスター賞を受賞しましたけれども、表向きじゃない率直な意見をお聞きしたいです。
OooDa:いやー…
岸:厳しいこと言えよ!
OooDa:僕の中で、僕が審査員だったとしたら岸くんを選んでいたと思います。ないものねだりじゃないですけど、僕の欲しいものを全て持っている。多分逆もあると思うんですよ、僕にしかできないことが。
でもそこは悔しくも一緒に盛り上げている友でもあるので、コミュニティに対する接し方だったり、競技シーンに対する向き合い方だったり、ゲームに対する愛というのを凄い持っている人だなと思っているので、まあ岸くんかなと。あとはここにはいない若いキャスター、それこそノミネートされた大和くん。やっぱり僕の中では岸くんか大和くんにあげたいなと思っていたので、納得だったかなと思います。
なのでステージにでていたとき、カメラに映っていたかもしれませんが、にやにやが止まらなくて。どういう表情にしてやれば良いかなと思っていましたけれども、横のAruさんとちょこちょこしながら。でも嬉しかったです!本当に!これからもこの業界、我々もですけどeスポーツキャスターとしての良い目標になっていただければと思います。
──先程岸さんも仰っていたように、受賞されると価値がわかるというお話で、岸さん自身も受賞されて、あるいは今回受賞されなかった他の方々もいらっしゃると思うんですけれども、そこに気持ちの切り替えとか環境の変化というのはありましたか。
岸:いや、多分皆さん誰が受賞しても気持ちの変化はそこまでなかったと思います。もちろん受賞して嬉しい、これからも引き続き頑張っていこう、認められたというのはあると思うんですけど、やっぱり僕らの志としては選手を第一に実況していくという部分と、できるだけ視聴者に感動を伝えられるかというのは大事だと思うので、そこまで俺がNo1だという気持ちは全くなく、しいて言うならOooDaを踏み台にして良かったなと。OooDaをイジって正統派で活きれるんだなと思いました。
OooDa:夜道に気を付けてね。
岸:夜道に気を付けます(笑)
──今のコメントを受けてOooDaさんはどうですか。
OooDa:いやもう若い人たちにどんどん踏み台にしてもらって、その人の良いところとか新しい感覚とか色々生まれてくると思うので、それがまたよりファンの人たちに魅力が伝わる一つになると思うので、そんな感じで広まっていけば嬉しいなと思います。もっと踏み台にしてほしいです。まだ足りないです。
岸:やっぱりキャスターってタイトル依存なところもあると思うんですね。今年で言えばVALORANT MastersであったりChampionsといった割とVALORANTの流れがかなりあった一年だと思うんですけれども、なので2024年はVALORANTもありますけどストリートファイター6とかより盛り上がるんじゃないかなと思いますね。
多分来年はスト6を実況している方が海外に行く可能性もあるんじゃないかなと思っているので、そこらへんはキャスターみんなもうわかっていますし、とにかく自分たちはそのタイトルで、一個一個大切に実況するだけと思って臨んでいると思います。結果は後からついてくると思います。
衣装のポイント「蝶ネクタイはいないだろと思ったら私だけネクタイ」
──イベント中に、格ゲーマーの服装を話題にされることがありましたけれども、本日皆さんの衣装のポイントはありますか。
OooDa:僕はもうアワード!という感じで、周りが黒を着てくるだろうなと思っていたので、自分のキャラクター的にもちょっと黒からずらした変なおじさんを演じてみました。ちょっとかわいい感じでゆるキャラみたいな雰囲気で仕上げました。
貴島:私はメインのお仕事がモデルなので、アワードらしい黒くてシックさもありつつで、シースルーで透け感のある衣装にしました。
平岩:私は岸さん、OooDaさんが蝶ネクタイはないかなと思ってネクタイしてきたら一人だけネクタイだったので、ワンチャン買いに走るというのもあったんですが、まあネクタイでそのままきました(笑)
来年があれば蝶ネクタイで(笑)
岸:僕はタキシードですけれども、ベルトするようなタキシードではなく今風なタキシードにしました。なのでアワードっぽく堅すぎない衣装にしました。
──eスポーツと言えば選手がピックアップされることが多いですけれども、今回はキャスターの皆様ですとか大会ですとかそういったところに焦点が当てられ表彰されました。次回以降もしあるならば、皆様の目線からこういう賞があっても良いんじゃないかとか、もっと細分化したら面白いかもといったご意見あれば教えてください。
OooDa:やっぱりVtuberの部門は欲しいですね。そこからの何賞なのかわからないですけど。あとはイラストとか。そこまで行くとクリエイターになるのかもしれませんけど、デザイン部門みたいな感じで分けてほしいですね。
平岩:Vtuberと言おうと思ってたんですけれども、最優秀ゲーミングデバイス賞とか、奇抜なのか最も売れたのかわからないですけど、格ゲーのヒットボックスとか近年すごく売れていると思うので、その年を表すデバイスが選ばれれば良いなと思います。
岸:まずはコーチですかね。割と各チームにコーチというのがいて、VALORANT・APEX・R6S・第五人格・クラロワ・PUBGなど、結構コーチとかアナリストとかも焦点が当たるので、コーチ賞というのも必要かなと思います。あとはメディア賞とかも行きます!?やっぱり、良い記事を書いてたくさんの方に刺激を与えていただければと思います。
貴島:個人的に好きというのもあるんですが、ゲーム音楽、ゲームのサウンドトラックを出勤中に聴くくらい好きで、そういったゲームの魅力を上げてくれるサウンドの賞もあったら良いなと思いました。
OooDaさん:そうなってくるとイベント6,7時間になりそうですね。
eスポーツに求めていること「遊び心」
──日本のeスポーツに求めていることはなんでしょう。
岸:日本のeスポーツに求めていること!来ましたよこれ!
平岩:今日のあcola選手を見て思っていましたけど、我々の配信もそうですし、彼の裏での努力を実況で伝えることもそうですし、そういう大会を用意してあげることもそうですし、ああいう若い選手が思う存分世界で戦えるような土壌を作ってあげることが重要だと思います。
横の繋がりを作るということですごく大事だなと思ったのが、さっきあcola選手があめみやたいよう選手にパズルゲームのコツみたいなものを聞いていて、そんなことは普段絶対起きないんですよね!普段スマブラ勢で集まっていたりとか、ぷよぷよ・テトリス界隈だけで集まっていたりだとかで絶対起きないことだったので、そういう場を設けるのもeスポーツの未来にとって良いことだと思いました。ベテランもそうですけどそういう若い選手たちが、全力を尽くせる環境をどれだけつくっていけるかが大事だと思います。
岸:僕はeスポーツの未来に求めることというところで、ファン・チーム・キャスター・選手・メディアの方々が沢山協力していただいて、たくさん世に広まったと思うんですね。そしてこういった形で皆さんを表彰する会はもちろん嬉しいんですが、JeSU及びその上のもっと国の偉い方々も、もうちょっと僕らとか企業とかじゃなくファンの目線を持ってほしいと思います。
ファンがどうしたら楽しめるのか、ファンの気持ちを分かっていただければ多分今回のイベントももっと多くの方が来て頂いたと思いますし、よりたくさんの方々に見ていただけたと思いますので、13万票という素晴らしい数の投票を頂いたんですけれども、もっと多くの人口がいると思いますので、たくさんファンの方の目線を持って、これからも表彰してほしいなと思います。じゃあ、OooDaさんが最後に決めてくれます!
OooDa:十分締まったんじゃない?
──では決め台詞をお願いします。
OooDa:決め台詞!?…みんなに必要なのは遊び心!
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アイキャッチ画像:日本eスポーツアワード
取材:eスポーツニュースジャパン編集部