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【コラム】「フランチャイズ時代最後のChampions」が上海で始まる|VALORANTは再び開かれた予選へ


9月24日、中国・上海で『VALORANT Champions 2026』が開幕します。会期は10月18日まで、出場は16チーム、賞金総額は225万ドル(約3億3,750万円)。中国でのChampions開催は初めてで、前年王者のNRGが連覇を狙う構図です。

ただ、この大会にはもうひとつ、成績表には載らない肩書きがあります。2027年からVCTがオープン予選方式へ移行するため、これがフランチャイズ時代最後のChampionsになる、という点です。

日本のファンにとっては、やや寂しい幕切れになりました。2026年のVCT Pacificには、ロスターを刷新したZETA DIVISION、着実に地力を上げたDetonatioN FocusMe、昇格組のVARRELという日本3チームが参戦しました。

Stage 2ではVARRELがグループ1位でプレーオフに直行し、DFMとZETAはプレイインへ回り、Challengers Japan王者のQT DIG∞も加わって日本勢3チームがプレイインに並びました。それでも、上海の16枠に日本のチーム名はありません。Pacificからの出場はT1、Global Esports、Paper Rex、NS RedForceの4チームです。

つまり日本のシーンは、フランチャイズという枠組みの最後の一年を、「参加はしていたが、頂点の舞台には届かなかった」という形で終えることになります。

2027年、入口は再び開かれる

一方で、看取るだけの話ではありません。むしろ本題は、この先にあります。

Riot Gamesは9月8日、VCT 2027のKickoffに向けたオープン予選の概要を発表しました。各地域のKickoffにはパートナー8チームとオープン予選通過の4チームを加えた計12チームが出場し、予選は2026年11月に始まります。オープン予選は世界16の地域・地区で実施され、勝ち上がったチームはKickoffだけでなく、Cups、Masters、そしてChampionsへ至る道筋を得ます。

日本にとって重要なのは、日本がこれまで通り単独地域として予選を実施するという点です。韓国と並び、Pacificのなかで独立した入口が確保されました。

さらに、制度設計として見逃せない要素が二つあります。ひとつは資金面で、非パートナーチームがVCTの主要ステージに到達した場合、定額の支援金が支給される仕組みが導入されます。Kickoff進出の非パートナーチームには10万ドル(約1,500万円)の支援が用意されると報じられています。

もうひとつはロスター要件で、多くの地域で5人中3人が当該地域出身であることが求められ、5人中3人を維持したチームはシーズンを通して競技上の積み上げを継続できる設計になっています。

「勝ち上がったら自費で戦え」ではなく、「勝ち上がった分だけ支える」。この一点が、かつてのオープンサーキット時代との決定的な違いです。

日本単独予選は「上昇動線」になるのか

これまで日本の若いチームがVCTの舞台に立つには、Challengers Japanを勝ち抜き、Ascensionという狭い門を突破するか、あるいはパートナーチームに選手個人として引き抜かれるか、という二択に近い状況でした。2026年のVARREL昇格は前者が機能した好例ですが、年に1枠という希少性は変わりません。

2027年からは、11月の日本単独予選を勝てばKickoffに出られ、そこから先は成績次第でCups、Masters、Championsまで道がつながります。ZETA、DFM、VARRELというパートナー勢の外側に、初めて恒常的な上昇動線が引かれることになります。

ただし、楽観は禁物です。論点は少なくとも三つあります。

第一に、日本枠からKickoffへ進めるのが何チームなのか、詳細はまだ各地域から発表されていません。第二に、10万ドルの支援金は遠征と滞在の実費をまかなう水準であって、年間を通じた選手の生活を支える額ではありません。第三に、5人中3人という地域要件は、国内の選手層が薄いポジションでは編成の制約として効いてきます。

それでも、「勝てば上がれる」というルールが明文化された意味は大きい。QT DIG∞のようにChallengersから這い上がったチームが、翌年にはKickoffの舞台に立てるかもしれない。その現実味が、国内の学生・Tier2シーンに与える影響は、賞金額の多寡以上に重いはずです。

終わりの大会は始まりの前夜でもある

上海で10月18日に王者が決まったとき、私たちはひとつの時代の終わりを見届けることになります。しかし、そのわずか2週間後の11月には、日本国内でオープン予選が始まります。

「最後のChampions」に日本勢はいません。だからこそ、次の一年をどう設計するかが、日本のVALORANTシーンにとっての本当の勝負になります。看取るべきは制度であって、シーンではありません。

執筆:eスポーツニュースジャパン

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