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【VALORANT】競技シーンのメタ構成を地域別に考察してみた!【VCT Kickoff編】


タクティカルシューター『VALORANT』には様々なエージェントがいますが、マップや国によって頻繫に使用されるエージェントは異なります。

また、それはパッチ更新によるエージェントの調整によっても左右され、メタ構成はその時々によって変わってきます。

そこで本記事では、VCT Kickoff適用パッチ(8.02-8.03)における、Americas・China・EMEA・Pacificそれぞれのメタ構成を比較分析していきます!

執筆時点ではPacificのみが大会を終えている状況になりますので、ご了承ください。

データ引用元:VLR.gg

アイスボックス

Americas

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Americasのアイスボックスは、基本的にヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイが構成に入っており、デュエリストを採用する際はジェットが主流ですが、中には2センチネル構成や2コントローラー+レイナを採用しているチームも見られます。

コンペティティブでよくみられるジェット・ヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイ+何かという構成はAmericasでも健在ですが、最近はゲッコーの評価が上がってきているので、残りの枠にゲッコーを入れるチームを増えてくるのではないでしょうか。

China

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中国でもAmericas同様ジェット・ヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイという構成が主流となっていますが、少し違うのはハーバーを加えた2コントローラー構成が多い点です。

アイスボックスは設置を行う際に敵のピークにより設置阻止をされることが多いため、今までは壁を作れるセージが採用されてきましたが、壁を張ることで自分たちの取れるエリアを狭めてしまうというデメリットもあったため、コーヴをもつハーバーが採用されていると考えられます。

また、ハーバーはカスケードでオペレーターをケアしながらラインを前に押し上げられたり、ヴァイパーと併用することでカスケードとトキシックスクリーンで敵に揺さぶりをかけることができるというのも非常に強みですね。

EMEA

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EMEAはアイスボックスをプレイしているチームが少ないので参考程度になりますが、ヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイが核であることに違いはありません。

ただ、デュエリストの枠はジェットが最優先かと言われればそうではないようです。

他の地域と比べて構成に幅があるEMEAですが、EMEAは一風変わった構成で初見殺し的なセットアップを押し付けることを好む点が、この結果に反映されているように感じます。

Pacific

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Pacificではジェット・ヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイを核として、残りの枠はコントローラーかイニシエーターかセージという構成をが主流で、Americasと中国の中間のようなメタになっています。

デュエリストはジェット以外は使用されず、The 王道という印象を受けます。

アイスボックス全体の考察

地域全体をみるとアイスボックスではまずヴァイパー・ソーヴァ・キルジョイが依然として核であり、デュエリストに関してはジェットが一応主流ですが、EMEA・Americasでは最優先というわけではありませんでした。

残りの1枠に地域の特徴というものが表れており、特に中国は2コントローラーにすることで手前まで徐々にラインを押し上げて、自信のある撃ち合いの展開にもっていく狙いを見せた構成がメタになっています。

アセント

Americas

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Americasにおけるアセントでは、基本的にジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイの構成が多く採用されており、一部のチームではソーヴァを構成から外し、ヴァイパーを入れ2コントローラー構成にしています。

基本的には王道といったところですが、ヴァイパーを入れているところは手前までスモークでエリアコントロールを行い、仕掛ける際はフラッシュを使う形で、チェンバーメタではないこの環境下では非常に動きやすい構成をしていると言えます。

China

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中国でも同様に基本的にはジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ構成が主流ですが、フレックスの枠をブリーチにしたりデュエリストにしたりと、多少のばらつきは見られます。

中国は南北アメリカと比較すると、2コントローラー構成は少なく、採用しているのは絶対王者EDward Gamingのみでした。

EMEA

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EMEAも基本的にジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ構成が主流で、Team Vitalityは1戦目はサイファー採用でしたが2戦目にはキルジョイ採用にしています。

中でも異質なのはKarmine Corpのアセントとは思えない構成で、一回しかまだ見せていないのでどこまで強いのかは定かではありませんが、この奇襲にも見える構成の今後が楽しみなところです。

Pacific

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Pacificでもジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ構成がメインで、T1とPaper Rexのみが2コントローラー構成をしていました。

PRXが一風変わった構成を披露するのはいつものことですが、今後見られるようにT1はRossy選手ヴァイパー固定の2コントローラー構成を貫いています。

アセント全体の考察

基本的にはどの地域もジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ構成という、いかにも王道の構成が今大会でも採用されていましたが、ヴァイパーを採用した2コントローラー構成も徐々に増えてきた印象を受けました。

今までジェット・オーメン・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ構成が常に採用されてきたアセントにおいて、2コントローラー構成がその牙城を崩し、今後メタになるのか注目です。

サンセット

Americas

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Americasのサンセットはヴァイパー・レイズ・オーメン・サイファーが主にピックされており、イニシエーター枠はチームによって違うといった感じですが、スカイが人気のようです。

弱体化されたスカイではありますが、2コントローラー構成の強みを活かしてある程度身体で情報をとって、サイトに攻め入る際や情報を確定させるタイミングなど、アビリティの使いどころを見極めれば賄い切れるという判断で未だ採用しているチームが多いと考えられます。

China

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中国はAmericasと比べてガラリと構成が変わっており、レイズ・オーメン・サイファーを核として、残りの2枠はイニシエーターに充て、そこではソーヴァとブリーチが主にピックされています。

中国らしく積極的に仕掛ける構成で、実際に守りの際はスパイカメラとフォールトラインの組み合わせでキルを狙いにいき、攻めではフォールトラインを使って守り側の前めのポジショニングを抑制することができます。

EMEA

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EMEAではオーメン・レイズ・サイファーが核となっており、2コントローラーにする場合は主にフェイドがイニシエーターとして採用され、2イニシエーターにする場合はブリーチ+フェイドが採用される形で、Americasと中国のメタが混在しているような状況が見て取れます。

Pacific

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Pacificではヴァイパー・レイズ・オーメン・サイファーが核となっていますが、全体的にみるとPacificとしての特徴はなく、EMEA同様にAmericasと中国のメタが混在している状況にあります。

強いて言えばEMEAよりも2コントローラー構成が主流で、イニシエーターの枠は幅広く使われています。

サンセット全体の考察

サンセットにおけるメタ構成は特にAmericasと中国に特徴がでており、Americasでは2コントローラー構成が主流である一方で、中国はブリーチを採用した2イニシエーター構成が人気であることがわかりました。

そしてEMEAとPacificはその二つのメタが混在している形で、Pacificに関してはどちらかと言えばAmericas色が強いことがわかりました。

スプリット

Americas

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Americasでのスプリットではヴァイパー・レイズ・スカイ・アストラがメインで採用されており、残る1枠はコントローラーやイニシエーター・センチネル様々です。

その中でもセンチネルの採用は少ないというのは特徴的です。

センチネルがいないとラークであったり裏が怖いのですが、最近のVALORANTは素早い展開というよりも丁寧にエリアを保持することが優先されているため、サイファーよりもアビリティが強い他のエージェントが使用されてると考えられます。

China

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中国ではヴァイパー・レイズ・スカイという選択がAmericasと同じですが、Americasではコントローラーがアストラ主流であったのに対して、中国ではオーメンが主にピックされています。

スプリットをプレイしているチームがそれほど多くないため、実際のところどうかわかりませんが、この表で見る限りはサイファーは過半数のチームで採用されていることもわかります。

EMEA

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EMEAではヴァイパー・レイズ・オーメン主に使用されており、イニシエーターの枠にブリーチを採用することが多く、その相方としてスカイやフェイドがピックされています。

Americas同様センチネルの採用率は低く、その代わりに2コントローラーや2イニシエーター構成が好まれています。

Pacific

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Pacificではヴァイパー・レイズ・スカイ・オーメンorアストラが主流で、サイファーも多くのチームでピックされています。

サイファーを構成に入れていない場合は、イニシエーターを増やすのではなくジェットを入れて2デュエリスト構成にするパターンが見られるというのも特徴です。

スプリット全体の考察

スプリットを地域全体で見るとやはりヴァイパー・レイズ・スカイの採用率が非常に高く、コントローラー枠をオーメンかアストラにしたり、センチネルを入れるか入れないかという点は地域の特徴が表れていた部分かと思います。

EMEAでは唯一ブリーチ採用が主流となっていたため、今後他の地域の構成でブリーチが入ってくるかという点については注目すべき点だと考えています。

バインド

Americas

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Americasにおけるバインドは全てのチームが2コントローラー構成を採用しており、中でも注目すべきはセンチネルをどのチームも構成に入れていないことです。

センチネルを構成から除外する代わりに2イニシエーターや2デュエリスト構成にし、スキルを駆使して積極的にエリアコントロールを行う風潮があります。

弱体化があったスカイも多くのチームで未だに採用されています。

China

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中国ではヴァイパー・レイズ・スカイ・ブリムストーンは核とされている様子がうかがえますが、残りの1枠はチームによってセンチネル・デュエリスト・イニシエーターそれぞれ変わってくるという感じになります。

EDGはアセントと同様に、オフメタ構成を貫いています。

EMEA

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EMEAではAmericasと同様に2コントローラー&0センチネルという構成が主流で、少し異なるのはブリムストーンの他にオーメンやアストラの採用もある程度見られることにあります。

Karmine Corpのバインドを見ると、オーメンのパラノイアが重要というよりは、アタッカーの際シャワーにワンウェイスモークを焚くことで、スキルを使わず敵のピークを抑制し、じわじわとエリアを広げることが重要であるように思いました。

ブリムストーンのスモークは再チャージされず、スローな展開を行う場合にはオーメンやアストラが適しているため、EMEAではそのような構成が採用をされているのではないでしょうか。

Pacific

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Pacificでは他の地域と比べてバインドをプレイしているチームが少ないというのもありますが、必ずしも2コントローラー構成が絶対というわけではなく、Paper RexとGlobal Esportsは1コントローラー構成を採用しています。

PRXは持ち味のフィジカルを活かすために無理に2コントローラー構成を採用せず、1コントローラーで空いた枠に強いスキルを持つイニシエーターやデュエリストを入れてアグレッシブに戦うことはよくあります。

一方で、Global Esportsはコントローラーをヴァイパーのみという中々見ない構成をしていました。しかし、結局あまりうまくいっていないような感じが見受けられましたので、Stage1に向けた準備の中でヴァイパーを用いた2コントローラー構成を採用することも十分に考えられます。

バインド全体の考察

バインドを全ての地域で見ると、ヴァイパーを採用した2コントローラー構成が主流になっています。

一方で、Pacificではセンチネルを構成に入れているチームが多かったものの、他の地域ではセンチネルを入れないことが多く、その代わりとしてイニシエーターやデュエリストを増やすパターンが見られました。

また、ヨルのピックも多少見られてきており、珍しくないと言えるほどにヨルの使用率は向上していることも見て取れました。

ブリーズ

America

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AmericasではG2 Esportsを除いて、全てのチームがヴァイパー・ジェット・サイファー・ソーヴァ・KAY/Oの構成が採用されていました。

Americasにおけるブリーズの最適解はまさしくその構成と言わんばかりのピックの仕方で、これまでとあまり変わっていないような印象です。

China

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続いては中国ですが、中国ではブリーズがほぼプレイされていないのでメタ構成が何か分かりませんが、Edward GamingはAmericasのメタに沿った構成をしている一方で、Wolves Esportsはフレックス枠でヨルを採用しました。

なお、ブリーズにおけるEDG vs WOLはEDGが接戦の末勝利しています。

EMEA

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EMEAではヴァイパー・サイファー・ソーヴァ・ヨルをベースに、2コントローラー構成やジェットを採用した2デュエリスト構成が主流となっています。

1コントローラー構成のKOIがデュエリストの枠でジェットではなくヨルを採用していることから、ジェットよりもヨルの方が優先度が高いことも興味深い点です。

また、2コントローラーを採用する際はヴァイパーの他にハーバーが一般的と思っていましたが、ヨーロッパではオーメンやアストラが採用されています。

Pacific

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Pacificでは明らかにヨルがメタになっており、他の地域と比べても2デュエリストが多い印象を受けます。

このマップで必ずと言って良い程ピックされる傾向にある、ヴァイパーとサイファーの天敵はヨルであることに間違いはなく、ヴァイパーズピットに対してはディメンショナルドリフト、ワイヤーに対してはゲートクラッシュが刺さります

実際Pacificの試合でもヨルが暴れるシーンは何度も見られました。

まさかあのヨルがメタになるとはいったい誰が想像していたことでしょうか。

ブリーズ全体の考察

ブリーズにおけるメタは、Americasでは以前と変わらず、EMEAでは2コントローラーorヨルを使った2デュエリストが主流で、Pacificでは完全にヨルメタがきていることが分かりました。

ただ、今回のVCT Kickoffでは中国のチームがほぼブリーズをプレイしていなかったため、これからどのような構成が見られるのか非常に楽しみですね。

ロータス

Americas

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Americasではロータスはそれほどプレイされているわけではないため、実際のメタが何か把握しきれませんが、レイズ・オーメンのピック率は100%で、ヴァイパーを使用した2コントローラー構成が過半数を占めています。

同じ構成が一つもないので、これからのAmericasのロータスはどのような構成が出るのか注目していきたいですね。

China

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中国ではヴァイパー・レイズ・オーメン・キルジョイ・フェイドの構成が多く採用されており、多少のエージェントの違いはあれど基本的には2コントローラー構成が主流であることが分かります。

少し目を引くのがFunPlus Phoenixのチェンバー採用で、中国の構成ではスカイやブリーチがあまり入らないため、フラッシュによるオペレーター対策の術がなく、今の環境で刺さっているように思えます。

今後FPXがロータスで暴れるようなことがあればスカイの構成入りであったり、チェンバーの積極的な採用が見られるのではないかと予想しています。

EMEA

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EMEAではヴァイパー・レイズ・オーメン・キルジョイが主にピックされ、イニシエーターの枠はフェイド・スカイ・ゲッコーのどれかを構成に入れられています。

中にはネオンであったりフェニックス、ヨルをピックするチームもあり、EMEAらしさ全開の挑戦的な構成も見ることができます。

Pacific

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Pacificもヴァイパー・レイズ・オーメンが核であることに違いはなく、キルジョイも多くピックされています。

ただ、他の地域では見られなかったサイファーの採用が見られ、イニシエーターではフェイドorスカイが主に使用されています。

ロータス全体の考察

全地域のロータスを見てみると、やはりヴァイパー・レイズ・オーメン・キルジョイは非常に多くピックされており、残りの枠はフェイドがやや多めでしたがスカイもピックされているという状況でした。

地域によってはあまりフラッシュもちのエージェントが出ず、そこでチェンバーを採用すると刺さったりしているので、今後チェンバーが脅威になることでスカイが増えたり、もしくはチェンバーで対抗したりなど、メタの回り方にも注目です。

まとめ

以上、VCT Kickoff全地域のメタ構成分析でした!

今回の分析で、アセント以外ではヴァイパーの採用率が多く、2コントローラー構成が今最もアツいということが分かりました。

VCT初期から観戦している方にとってはこのような時代は考えられない光景ですよね。

今後もeスポーツジャパンではVCTに関する記事や考察記事などをお届けいたしますので、ブックマークやXのフォローよろしくお願いいたします。

執筆:eスポーツニュースジャパン編集部

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