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ホラーゲーム実況者「慈悲の極み」が語るYoutube活動のターニングポイント「趣味が仕事になったと胸を張って言えた」【Streamer図鑑 Vol.4】


「eスポーツニュースジャパン」(eスポ)では業界を取り巻くさまざまな時事ネタをはじめ、競技シーンで戦うプロゲーマー・ゲーマータレント・関係者など、eスポーツシーンの立役者を訪ね、取材を通して情報発信に努めています。

そしてこのたび、精力的なゲーム配信でコミュニティを日々盛り上げる「ストリーマー」に注力するべく、eスポは新たにインタビュー企画「Streamer図鑑」を立ち上げる運びとなりました。

第4回目は、PC用ゲーム『Phasmophobia』のプレイ動画で話題のゲーム実況者(配信者)「慈悲の極み」さんを大特集。過去のゲーム遍歴をはじめ、ゲーム実況に取り組んだ経緯、活動のターニングポイント等を中心にお届けします。

趣味の延長線上から仕事へ。ホラーゲーム実況で訪れたターニングポイント

ーー本日はよろしくお願いいたします!まずは簡単な自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか。

慈悲の極みさん(以下、敬称略):よろしくお願いします!現在ホラーゲームをメインに実況&配信している慈悲の極みと申します。

ーー慈悲さんは様々なジャンルのゲームをプレイされている中、現在はホラー作品を中心に実況されていますよね。では、最初にどんなタイトルを触ってゲームにハマったのでしょうか。

慈悲の極み:一番最初にハマったのは、Wiiの『大乱闘スマッシュブラザーズX』(スマブラX)でしたね。元々ゲーム禁止の家庭で育ったので、祖父母の家に行った時に遊ばせてもらったのが初めての体験だったと思います。

▲「慈悲の極み」さん公式Youtube(クリックで移動)

ーーなるほど。『スマブラX』は対戦アクションゲームですが、他のジャンルにはハマったりしましたか?

慈悲の極み:そういうわけではないですね。やっぱりゲーム禁止の家庭というのもあって、「ドラゴンクエスト」や「ポケットモンスター」も全く触ったことがありませんでした。自由にゲームが遊べるようになったのは一人暮らしを始めてからです。

ーー以前は”ゲーム漬け”の日々を送っていたわけではなかったと。そこからゲーム配信やゲーム実況を始めるにいたった経緯を知りたいです。

慈悲の極み:一人暮らしを始めてから、自由にゲームで遊べるようになったんです。なので友達と一緒にゲームをしていて、「こんなに皆で楽しくゲームができるなら、試しにYoutubeに上げてみようかな」と思って。最初はあくまで趣味の一貫として動画を作ってました。

ーーちなみに、当初はどんなゲーム作品で動画を撮っていましたか?

慈悲の極み:「モンスターハンター」シリーズだったり、『Apex Legends』が多かったですね。ちょうど2021年頃だったと思います。

ーー今から3年前ですね。現在はチャンネル登録者が5万人を突破していますが、ご自身の中で活動のターニングポイントがあれば教えてください。

慈悲の極み:自分でゲームを遊ぶのはもちろんですが、他の人がプレイしているゲーム実況を見るのも好きで、「自分たちでもやってみたい!」と思ってホラーゲームの動画を出したことがあって。そしたら再生回数が伸びて、「もしかすると需要があるのかな?」ということに気がついたんです。あれからホラーゲームの動画を多めに上げてきたので、かなりターニングポイントだったと思います。

ーー慈悲さんの視聴者の方々はご存知だと思われますが、その記念すべきホラーゲームと言うのが……?

慈悲の極み:はい、『Phasmophobia』です(笑)。と言ってもいきなり伸びたわけではなく、少し期間が空いていたと思います。やっぱり動画を上げてもあまり見てもらえない期間もあったので。それでも改めて『Phasmophobia』の動画を調べると、「他の動画と再生回数が違う!」ということに気が付きました。

–慈悲さんが投稿している『Phasmophobia』の動画は、企画系をはじめ色々な系統が見られます。中でも攻略動画は人気が高いと思われますが、ご自身のプレイスタイルが反映された結果なのでしょうか。

慈悲の極み:そうですね。『Phasmophobia』は知識ゲームと言っても過言ではないぐらい、知識があるか無いかで難易度がかなり変わると思います。僕はハマったゲームの情報を調べまくるタイプで、同じように攻略法を求めている人がたくさん動画を見てくれているのではないでしょうか。

コラボ配信の極意は「自分本位にならない」こと。広く見渡して撮れ高を探し当てる

ーー先ほどのターニングポイントにも通じる話ですが、ご自身が活動を続けてきた中で最も嬉しかった瞬間はいつでしたか?

慈悲の極み:やっぱり”Youtubeの動画投稿だけで食べていけるようになった”瞬間ですかね。「これを仕事にしていいんだ」って、今まで頑張ってきた分の達成感を改めて感じることができたと言うか。あとは、初めてチャンネル登録者数が1万人を突破した時も感慨深かったです。

ーーまさしく到達点に登った感覚ですね。

慈悲の極み:そうだと思います。でも、最初から順風満帆というわけではありませんでした。それこそ初めの方は友達とゲームを遊んで動画を撮って、1本の動画を完成させるのに2~3日かかっていたんですよ。それで「やっと出来た!」と思って投稿しても、次の日に再生数を見たらほとんど誰も見ていなかったんです。あれは絶望しましたね。「あんなに頑張ったのに……」って(笑)。

ーー今やゲーム関連の動画コンテンツは、Youtubeだけでも星の数ほどありますよね。だとしても、投稿後の反応に期待する気持ちも分かります。

慈悲の極み:多少なりとも見てもらえるかな?と思っていましたが、結果はそれを下回るレベルで。もちろん動画にかけた時間分のリターンをしっかり求めていたわけじゃないですけど、「こんなにも反応が無いのか」という部分は伸び始めるまでずっと苦労してました。

ーー先ほども仰っていましたが、そこからホラーゲームのプレイ動画がヒットの取っ掛かりになったわけですね。

慈悲の極み:そうですね。あと『Phasmophobia』で言えば、動画を上げ始めた頃にまだ先駆者がそこまでいなかったのも大きい要因だと思います。だからタイミングも良かったし、『Phasmophobia』はホラーゲームの中でもSteamのランキングでかなり上位に入っていました。それだけ注目している人も多かったから、結果的にたくさんの人が動画を見てくれたんだと思います。

ーー最近だとプレイ動画以外にも、複数人で行う企画「チーム対抗幽霊調査バトル」が注目されていました。実施にいたった経緯をお聞きしたいです。

慈悲の極み:あの企画に参加してくれた人たちは元々仲が良くて、「久しぶりにコラボしたい!でも前と同じ企画だったら新鮮味が無いかも?」と思い、改めてどんな企画だったら面白くなるかを考えました。

最終的に10人の活動者が参加してくれて、最初は色んな方々やその視聴者さんを巻き込むことに少し不安を感じたものの、それ以上に「またやってほしい!」という声をいただくことができました。今は安堵でいっぱいです(笑)。

ーーお話いただいた通り10人はかなりの大世帯ですが、コラボの際に慈悲さんが特に意識している点は何でしょうか?

慈悲の極み:そうですね……”自分本位にならない”ようには気をつけています。例えばゲームを遊んでいても、僕の視点とコラボ相手の視点は必ずしも一緒ではないですよね。なので自分の視点に意識が向きすぎないよう、コラボ相手の人から何か少しでも面白そうなことを言ったら、一旦そちらに耳を傾けて話を広げるよう意識しています。

ーー視野を常に広く保っているわけですね。どちからと言えば、慈悲さんは笑いも取るけどツッコミに回ることが多い印象です。

慈悲の極み:そういう感じかもしれません(笑)。いずれにしても、常に人の話を聞いて、面白いとこを引き出せるように考えています。

ホラーゲーム実況者が考える”恐怖と達成感の心地よいバランス”とは?

ーーここまでゲーム実況&配信についてお聞きしましたが、ホラーゲームを中心に動画を投稿してきた慈悲さんに改めてお伺いします。ずばり、プレイヤー視点から考える”面白いホラーゲーム”の特徴とは何でしょうか?

慈悲の極み:単純に面白いホラーゲームと言っても種類は色々ですが……、怖いだけだとゲーム作品とは言えないような気がします。と言うのも、恐怖演出に特化してゲーム的な部分が無い作品は、どちらかと言えばホラー映画や恐怖映像に近い印象を受けるんです。

それよりも、僕は”恐怖の最中に感じる達成感”がホラーゲームの醍醐味だと思っていて。例えば恐怖に打ち勝つだけでなく、プラスアルファで謎解き要素みたいなのがあればあるほど、個人的に「面白いホラーゲーム」だと思いますね。

ーー「恐怖に身を置いた末に何を掴み取るか」ということでしょうか。ここ最近だと、複数人で挑むサバイバルホラー作品『Lethal Company』もコミュニティで注目を浴びていますよね。『Phasmophobia』と比べて気がついた点などがあればお聞きしたいです。

慈悲の極み:もちろん様々な意見があると思いますが、僕は『Lethal Company』の方が難しい面もあると考えています。なぜかと言うと、『Lethal Company』には明確なゴールが無くて、「期日までに定められたお金を稼ぐ」というノルマを繰り返すからなんです。当然、ゲームが進めば難易度も上がっていくし、1度でもミスをすれば振り出しに戻されることも少なくありません。特にソロ攻略は圧倒的に難しいゲームだと思います。

ーー非常にやりごたえのある作品ということですね。他にも気になっているホラーゲーム作品があればお聞きしたいです。

慈悲の極み:Youtubeに投稿したもので言えば、『Shadow Corridor 2 雨ノ四葩』ですかね。前作の『Shadow Corridor』が元々好きで、Youtubeで活動を始める前からゲーム実況をたくさん見ていました。基本的には「敵から逃げつつ、脱出アイテムの勾玉を集めて出口を目指す」というシンプルな内容ですが、アイテムの使い道が色々とあって、上手く使えば敵の足を食い止めることもできるんです。ただ逃げるだけじゃなく、色んなことを考えながら遊べるのがすごく魅力的な作品です。

あと、ホラーゲーム以外で挙げるなら『ELDEN RING』のプレイ動画をいつか出したいと思っています。

ーー『エルデンリング』ですか!名前の挙がったホラーゲームとはまた異なるゲーム作品ですね。

慈悲の極み:実はずっと前から遊びたい!と思っている作品なんです。と言うのも、今の活動を始める前から同じフロム・ソフトウェアが作った『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を、プレイステーション4版で10周近くクリアするほどやり込んでいたんです。だからその流れで『エルデンリング』も遊びたいんですけど、動画に撮ると時間がかかるじゃないですか(笑)。でも買ってはあるのでいつかは手をつけたいと思っています。

「慈悲の極みだったらとりあえず何でも見る!」と言ってもらえる活動者になりたい

ーーここまでは過去~現在の活動にまつわるお話をお伺いしました。インタビューも終盤に差し掛かりましたので、ここからは慈悲さんの未来について色々とお伺いします。まずは直近の目標についてお聞かせください。

慈悲の極み:単刀直入に述べると、『Phasmophobia』以外のゲーム作品でも「慈悲の極みの動画は面白い!」と言ってもらえるようになりたいですね。先ほど話題に挙がった『Lethal Company』も含め、攻略しがいのある息の長い作品があれば動画化にチャレンジしてみたいです。

ーー現状はすでに武器が一本ある状態なので、強みをさらに増やしたいというイメージですね。では、「数年後にこんな活動者になっていたい」という”ご自身の理想像”はありますか?

慈悲の極み:そうですね……。「慈悲の極みの動画はとりあえず見る!」と言っていただけるようなゲーム実況者になりたいです。今はホラーゲームの動画でありがたいことに見ていただいていますが、極端な話、僕が公園を散歩するだけの動画でも見てもらえる……という風になれたら最高ですね(笑)。

ーーゲーム実況だけに限らず様々なコンテンツで支持されるような活動者になりたいと。挑戦しがいのある目標だと感じました。最後になりますが、リスナーの方々へメッセージをお願いいたします。

慈悲の極み:まずはいつも動画を見てくださり本当にありがとうございます!いつも皆さんからの応援がとても励みになっています。僕自身、皆さんに恩返しができるようなゲーム実況やゲーム配信を届けたいと常日頃から思っていますので、ぜひ楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

ーー本日はありがとうございました!

取材:eスポーツニュースジャパン編集部/龍田

「慈悲の極み」各種リンク

X:https://twitter.com/zihinokiwami
Youtube:https://www.youtube.com/@zihinokiwami/featured
Twitch:https://www.twitch.tv/zihinokiwami

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