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「自分の活躍を泣きながら願ってくれる人がいる。ここで終わるわけにはいかない。」現在LFTを発表しているxui選手にインタビュー!


VALORANT Challengers Japan 2024 Split1にて、初のプロ活動ながらベテラン選手を指揮する一人の若きIGLが出場しました。

この度、その若きIGLことxui選手にインタビューさせていただき、今までの活動やプロ活動の厳しさ、今後の活動についてお聞きしました。

これからプロを目指す方やプロ選手の裏側に興味がある方は、ぜひともご覧ください!

プロを目指したきっかけ「熱いVALORANTの競技シーンに憧れた」

──まずは、軽い自己紹介をお願いいたします。

xui選手:元々IGZISTに所属していたxuiです。今はLFTでチームを探しながら、VALORANTのコンペティティブなどを中心に活動しています。

──これまでのチーム所属歴を教えていただければと思います。

xui選手:FENNEL AcademyとCrazy Raccoon AcademyとIGZISTに所属していました。

──VALORANTを始めるきっかけは何だったのでしょうか。

xui選手:コロナ禍でリリースが早まったということを聞いて、そこで友達に誘われて別のゲームから移行してきたという感じですね。

──では、元々PCで別のゲームをされていたんですね。

xui選手:そうですね、FortniteとかApex Legendsをやっていましたね。

──今18歳ということですが、何歳くらいからPCゲームを始めたんでしょうか。

xui選手:確か14歳くらいですね。最初はFortniteから入りました。

──それでゲームをプレイしている中でプロになりたいという感情が芽生えていったという感じでしょうか。

xui選手:元々はゲームが好きで勉強とかは全然していなくて、友達と遊ぶか家でゲームやるかという感じで、そのときからゲームでお金を稼げたら良いなと思ってはいました。

そこからVALORANTをやり始めるようになって、初めて5vs5のFPS競技を観るようになったんですけど、コロナ禍で有観客でないのにもかかわらず熱い実況・解説だったり選手のプレイで盛り上がっていて、その舞台に憧れるようになりました。

それを境にゲームに対する目的が変わって、憧れられるような選手になりたいと思うようになってプロを目指し始めました。

──もちろん今も楽しんでいるとは思いますが、ゲームを楽しむというところから憧れられる存在になるという目的の変化があったんですね。

xui選手:そうですね。

──IGZISTではIGLを務められていましたが、アカデミーでもIGLをされていたのでしょうか。

xui選手:そうですね、FENNEL AcademyとCrazy Raccoon AcademyではIGLに向いているよと両方のコーチの方から言われていました。元々自分はそういう気質ではないというか、向いてないのかな思っていたんですけど、せっかく向いていると言ってもらえていたので試しながらやっていた感じですね。

──IGLを始めるにあたって、苦労した点はありましたか。

xui選手:これはIGZISTの話になりますが、元々自分はデュエリストをメインで使っていて、IGZISTになってから初めてイニシエーター、ソーヴァだとかスカイを使わせてもらいました。

そこでIGLという自分では得意じゃないと思っていたロールも兼任していたので、最初はマップを見れないとか自分のコールに自信を持てないということがあって、入った当初は味方を迷わせてしまったこともありましたね。

──慣れない中でのタスクの多さに苦労された感じなんですね。

xui選手:そうですね。

──今実際IGLをしていて、自分が試合を動かしていく立場にあると思いますが、やってみて性に合っていましたか。

xui選手:性に合っていたかどうかでいえば…合っていなかったですね(笑)
ただ、自分は練習とかで雰囲気を良くしたり、気分を上がらせたりすることを得意だと思っています。大会とかではアドレナリンもでて敵がどういう動きをしてくるのか読めたりもしたので、そういう面では向いていたのかもしれませんね。

アカデミーでの活動「FLは教育的側面が強く、CRは勝利を最重要視」

──またアカデミーの話になるのですが、あまりアカデミーの活動は公にされていることは少ないと思います。アカデミーではどのようなことをされていたのかお聞きしたいです。

xui選手:FENNEL AcademyとCrazy Raccoon Academyは、育て方というか活動方針が違っていて、FENNEL Academyの方はイチから、例えばロールとかIGLとかを頻繁に変えて、どこのチームに行っても対応できるようにというのが主軸でしたね。あとは情報リテラシーとか選手としての常識、セオリーなども教えてもらいましたね。

一方で、Crazy Raccoon Academyはとにかくコミュニティ大会で勝つことが目的で活動していたので、奇抜な構成も試していたりしましたね。そこに関してはコーチの裁量だとは思いますけど、育てるというよりかは勝つためのチームという意味合いを強く感じましたね。

──ということはFENNEL Academyは選手としての教育という面が強くて、Crazy Raccoon Academyは勝つための部活的な側面が強いという感じなんでしょうか。

xui選手:そうですね。

──教育的な側面が強いFENNEL Academyを経て、競技として重要な勝利を最重要視するCrazy Raccoon Academyも経験することができたというのは、今振り返ってみて良かったと感じていますか。

xui選手:そうですね、やっぱり16歳でFENNEL Academyに入っていたので、当時は口が悪かったというか(笑)

VALORANTは5vs5のゲームなので、負けていたりすると雰囲気が悪くなってしまうじゃないですか。そこで自分は幼かったので、選手同士のコミュニケーションエラーが起きたときに、雰囲気を悪くしてしまったことがあったと思います。そういうところを両チームに所属して矯正できたところは非常に良かった点ですね。

初のプロ活動「かなりプレッシャーがかかった」

──選手としての立ち振る舞い、競技に対する闘争心という二つを学べて今があるんですね。アカデミーチームを経験して、今年IGZISTにプロ選手として加入しましたが、初のプロ選手になった時はどのような気持ちだったのでしょうか。

xui選手:結構プレッシャーはありましたね。FENNELとCrazy Raccoonという両方ともトップチームが日本一を経験していて、この両チームは知名度があってファンも根強いので、そのアカデミー出身かつやったことがないロールを担うというのはプレッシャーがかなりかかりましたね。

──IGZISTに加入した際は、IGLをやること前提で加入した形なのでしょうか。

xui選手:そういうわけではなくて、元々トライアウトの時点でコールの部分で評価されて合格して、IGLやロールは完全に後から決まった感じですね。

Red Bull Home Groundを境にメンバーが変わって、デュエリストとは別のロールをやる予定だったんですけど、そのロールが新加入選手と被ってそのままイニシエーターとIGLを務める形になりました。

──IGLをいきなり任されるということになって、初のプロ活動かつ18歳の若さでベテラン選手を指揮するというのは、さらにプレッシャーがかかる形になったんでしょうか。

xui選手:そうですね、最初IGZISTに入って宣材写真撮影があったんですけど、そこで初めて選手たちと会いましたが、会う前まではIGLに迷いがあったり、IGLとして引っ張っていけていない感じはしていました。

ただ、一回顔を合わせて話したことで、迷いはなくなってインゲームでは引っ張っていけたと思います。

IGLのこだわり「迷いのない指揮」

──自分なりのIGLとしてのこだわりなどはありますか。

xui選手:とにかくチームメイトを迷わせてしまってはいけないと思っています。

自分の考えが正解でも間違っていても、その時にみんなの考えが一貫していないと大会では勝てないので、基本的には自由にやってもらう形ではありますけど、迷うような場面では自分がしっかりコールして迷いがないように引っ張る意識は強く持っていました。

間違った選択でも意思統一できていればそれを正解に変えられる可能性はありますね。

──試合中のVCが抜かれていた時に、誰よりも声を出している印象でしたが、ムードメーカー的な役割でもあったのでしょうか。

xui選手:多分そうですね(笑)勝っているときも負けているときもしっかり声は出して雰囲気を保つことは意識していました。

Split1の振り返り「今後のプロ活動に良い刺激をもらえた」

──Split1で初のプロ活動で、Main Stageに進出したわけですが、Open QualifierではCREST GAMING Zstに大逆転で試合を制して予選通過しました。あのときの気持ちは覚えていますか。

xui選手:あれは今でも印象に残っていますね。一回負けてからLowerで上がって決勝で戦ったので。正直なところ、一回目の対戦でも自分は勝てたと思っています。あの時は実力では勝っている自信はありましたが、自分たちのミスが目立って負けた形でした。

再戦の際も絶対に勝てると思っていて、CGZ戦の前に一試合やった後で疲れが出ていたせいか2-10スタートではありましたけど、そこから大逆転でMAP取得できたので、そこからは勢いが止まらなかったですね。

──oitaN選手のXを拝見したのですが、あの時は皆さん「Winnable!Winnable!(勝てる!勝てる!)」といって追い上げていましたけど、あの時の気持ちはいかがでしたか。

xui選手:みんな強すぎて何しても勝てるという感じで(笑)めちゃくちゃ楽しめたと思います。

──Split1全体の話になりますが、良い意味でも悪い意味どちらでも構いませんが、印象に残った試合はありますか。

xui選手:良い印象と悪い印象分けて考えると、初戦のREJECT戦は悪い印象が残った試合でしたね。

序盤にREJECT・FENNELといった優勝候補にあたってしまって、Akameさんのアウトローが脅威でした。あのときはアウトローが実装されてからすぐだったので、対策が分からなかったですね。オペレーターと違って1発目をケアしても2発目がすぐに飛んでくるので、エコラウンドが続くと辛かったです。自分は2MAPで合計15回くらいキルされちゃいましたね(笑)それが悪い印象です。

良い印象で言うと、自分たちが勝ててなかった中で勝利をもぎ取ったMURASH GAMING戦ですかね。あの時は結構自分の中でも、これからのプロ活動の中で良い刺激をもらえたかと思いますし、あの大きなMURASH GAMINGという母体に勝利を収められたのは良い経験でした。

──MURASH GAMING戦で言うと、アセントBサイトの調整バイで、スイッチ周りでシェリフで耐えて最終的にクアドラキルが印象に残っていますが、あの時の気持ちは覚えていますか。

xui選手:いやーあれはめっちゃアドレナリン出てました!

↑xui選手が調整バイで救ったシーン

ロースター変更の理由

──答えづらければスルーしていただいて構いませんが、Main Stage途中でYamada選手と交代しましたが、その理由を言える範囲で教えていただければ幸いです。

xui選手:ここは自分自身も複雑な気持ちがあって、選手として試合に出場したいという気持ちは強くありました。
交代した理由は詳しくは言及できないですけど、IGZISTとしてはMain Stage 1勝7敗という振るわない結果で終わってしまいました。
良い試合もできないし、チームとして壊れてしまっていて、例えば連携が取れなかったりだとか負け癖がついてしまったりして、全然勝てない状況でした。

そこで自分のメンタル状態も悪くなりフィジカルが出せなくなって、そのタイミングでコーチにYamada選手と交代するかどうか提案されました。
自分も負けていたことでメンタルが折れてしまっていたので、試合に出場したい気持ちもありましたけど、状況的に勝つという気持ちが徐々に薄れていったというのも事実です。
一応二日間メンタルリセットとフィジカルリセットの猶予が与えられましたが、メンタルがどうしても整わなかったですね。

これは完全に自分の経験の浅さというか、そこでしっかり立て直せなかったのは自分の課題となる部分でした。
最終的にはメンタルが折れてしまった状態だったので、運営サイドに自分は控えになることを伝えて交代という流れになります。

──やはり負けが続きメンタル状態が悪くなり、そしてまた勝てなくなるという負のサイクルはやはりフィジカルに影響してしまうんですね。

xui選手:そうですね、自信をもってプレイすることより偉いプレイをしないとという気持ちに切り替わっちゃって、本来のデュエリスト気質のプレイがなくなってしまいました。
今絶対ピークしても負けるだろという気持ちが生まれてしまって、最後の方は勝負できなくなってしまっていたのでそこが課題となりました。

気持ちで負けるのはプロとしてはダメですし、チーム状態もありますが、結局は自分の実力・経験不足によるものだと思います。

プロ継続の意思「自分の活躍を泣きながら願ってくれる人がいる」

──プロの厳しさを味わった場面だったんですね。現在のメンタル状態だったり、そのメンタルの治し方というのはどのようにされたのでしょうか。

xui選手:リーグ中にメンバー変更の話があって、最初はどうしても受け入れられなくて、正直「なんで入れ替えるん?」という不満もありましたし、IGZISTを抜けた後もメンタルが悪い状態を引きずっていました。

その時、自分は「プロに向いてないのかな」と思うようになって、プロ一年目とはいってもあれだけ期待されるようなメンバーが揃っていながらも、ファンの方は「このメンバーがいても勝てないのか」とチームを引っ張る役目である選手目線では感じていました。

実際にプロを辞めようかなと思ったこともありましたが、自分の家族や身内が応援してくれていて、大会も観てくれていたりする中で、ブートキャンプが終わって家に帰宅した際に、お母さんに言われた言葉があります。
元々お母さんが応援してくれていて、帰宅した時に泣きながら「プロを辞めないでほしい」と言われて、泣くくらい自分を応援してくれる人がいることを認識しました。

自分は母子家庭というのもあってお母さんに育ててもらったため、勝つことしか目標にしていませんが、それで得たお金はお母さんに全て還元していきたいなと思っているんですよ。今回は恩を返すことができなかったので、こんなところで終わって良いわけがないという気持ちも生まれました。

実際プレイオフに出場したチームからも声をかけていただいたんですけど、そこを受けずにBC SWELLにいたKUROLIA君を始めとしてランクで強いメンバーを集めて、AXELERATEという即席チームで大会に出場しました。そこで良いところまでいってメンタルが回復した形になります。

──AXELERATEでは非常に短い練習期間だったと思いますが、Split2全体通しての感想をお願いします。

xui選手:デュエリストをメインでやっていたのもあって、自分がデュエリストをやるためのチームをKUROLIA君と作ろうという感じでしたが、ふたを開けてみればIGLもいないしプロ経験も浅いので、そういう面で意思疎通が難しかったというのもあって、自分がIGLをやってデュエリストを辞めました。

感触自体は練習時間を取れていたわけでもなかったですが、大会はみんな強かったですね。

今後に向けて「来年は自分の良さが出る年になる」

──今はチームでというわけではなく、個人でLFTを発表している感じですか。

xui選手:そうですね。

──今オフシーズンに入ったわけですけれども、オフシーズンの過ごし方を教えてください。

xui選手:やっぱりランクがメインですね。あとは自分とAXELERATEの他のメンバーと一緒にトライアウトを受けたりしてますね。

──今年まだ他に大会があるかもしれないですが、来シーズンの意気込みを教えてください。

xui選手:来シーズンからは多分デュエリスト担当で、今までとは違う感じでフィジカルを出せると思いますし、自分の良さがどんどん出る年になると思います。

チャンスがある限りプロ活動を続けていきたいという気持ちがあるので、前回のMain Stage 8位という結果を超えられるように頑張ります。

──最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

xui選手:FENNEL Academy・Crazy Raccoon Academyと応援してくださった方で、IGZISTに入って結果が出せず心配してくれた方や自分の強さに疑念を抱いた人もいるかと思いますが、応援してくれている方々にお返しできるような結果を絶対に出すので、これからも応援よろしくお願いします!

今回は、現在LFTを発表し来シーズンに向けて爪を研いでいるxui選手にインタビューさせていただきました!

お忙しい中ご対応いただき誠にありがとうございました!

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アイキャッチ画像:2024 Riot Games, Inc. Used With Permission

取材・執筆:eスポーツニュースジャパン編集部/h1ro

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