「クビになるかもと震えていた」3度目の挑戦を迎えたQT DIG∞のmisaya選手・ikedamaruコーチにインタビュー!
4月18日に「VALORANT Challengers Japan 2025 Split2 Playoff Day1」が終了し、今年最初のオフライン試合出場チームが決定しました。
その翌日にオフラインの舞台に姿を現す合計4チームに囲み取材をさせていただきましたので、そのインタビューの様子を公開していきます!
本記事では「QT DIG∞」のインタビューをお伝えします!
Xで募集した意見や大きく変わった選手が明らかになっているため、ぜひ最後までご覧ください!
大会の振り返り「タフだった」
──まずはここまでの大会の振り返りとオフラインの意気込みをお願いします。
misaya(以下敬称略):今までの振り返りとしては、総合的に見て良かったなと感じています。
初週RIDDLE ORDER・MURASH GAMINGに勝ち、次週は敗北して波がありましたが、最後の方に波を上げることができたのは良かったです。
オフラインへの意気込みとしては、Sengoku GamingからQT DIG∞になり、QT DIG∞としてのオフラインは初となるので気合を入れて練習したいなと思います。
ikedamaruコーチ(以下敬称略):僕たちが去年から変わっていないところはタフであることで、Advance Stageからオフラインまで戦い抜くというのはなかなかないことですし、ここまでこれたのはタフな選手たちのおかげなので感謝しています。
オフラインに関しては、去年2回出場しましたがどちらもFENNELに勝てなくて、今年は初戦の相手がFENNELではないので勝てれば良いなと思っています。
そして決勝でFENNELにリベンジできれば一番良いかなと考えています。
──オフラインの相手が現日本王者であるRIDDLEに確定しましたが、Main Stageでは勝利を収めています。この相手に決まったことについてどのように思っているのかお聞かせください。
misaya:RIDDLE ORDERに対して苦手意識はなく、FENNELほど苦手な相手ではないのでしっかりと準備すれば勝てる相手だと思っています。
ikedamaru:現日本王者で昨年のAscensionでも良い成績を収めているチームで格上であることには間違いなく、僕たちが1度勝利を収めているとはいえ、いつでも勝てる相手だとは思っていないです。
これから1か月RIDDLE戦に向けて良い準備をして良い勝負ができればと思います。
今後の課題「ムード」

──Split2は良い内容だったと仰っていましたが、Split2で成長したところ、課題として感じたところはどこか教えてください。
ikedamaru:Split2良かったというのは、Advance Stageから勝ち上がってこれたことが大きいと思っています。
CREST GAMING Zstに早い段階で負けて、強豪チームと崖っぷちで3回戦いましたが、その時にメンタルが強くなったことで先日のREJECT戦でも良い内容の試合をできたのかなと考えています。
今後の課題として、Main StageでFENNEL・REJECT・NOEZ FOXXに負けたのはチームのディテールの差だと考えていて、そこを解決しなければオフラインで勝つことはできないので、この1か月で頑張らないといけないですね。
misaya:Split2はチームとして良い練習ができたことがオフラインに繋がったと思います。
Advance Stageが始まったタイミングで質の高い練習をしようという話が挙がっていて、それからAdvance Stageを抜け、RIDDLEにも勝ち、自信がついて右肩上がりになったことは良かったです。
今後の課題としては「ムード」が大きな問題で、スクリムでも少しミスをしたらすぐ悪い状態になり、なんとか戻そうとするもうまくいかないことが多いので、そこはオフラインまでに改善したいです。
──それはチームの雰囲気作りということですか。
misaya:そうですね。一番大事なことはそもそも雰囲気が悪くなるようなミスをしないことですが、もしミスが起きても切り替えていきたいです。
──Advance Stageでメンタルが強くなったと仰っていましたが、具体的にどのタイミングでチームが成長したと感じていますか。
misaya:Advance StageというよりかはSplit1で敗退してから意識が変わりました。
周りにプロチームが多い中、Advance Stageで負けたら終わりという地獄のような状況で生き残るにはどうすれば良いか考えて、勝つためにはどのチームよりも練習するという結論に至り、苦しい中でも頑張ったのでオフラインまでこれたと思います。
激闘のAdvance Stage「クビになるかもと震えていた」
──Lower Bracketを泳いでいる最中の心境はいかがでしたか。
misaya:僕はネガティブな人間なので、いつプロを辞めるんだろうなと思いながらプレイしていました(笑)
1勝しても2勝してもとにかく僕は苦しかったです。
──それはIGLとしてチームを率いているというのも関係していますか。
misaya:そうですね。
──ikedamaruコーチはいかがでしょうか。
ikedamaru:Split1でFENNELに2連敗して5-6位で終わったのは僕に責任があると考えて坊主にしました。
そういう行動でチームを明るくしつつ、シリアスにやらなければいけないところはしっかりやるという話をして、それが良い方向に働きました。
Advance Stageに関しては、明日自分はクビになるかもしれないという気持ちで毎日コーチスロットで震えていました。
──今でこそ笑顔で話せるものの、実際は相当苦しかったんですね。
ikedamaru:そうですね、こんなのありえないですよ(笑)
──ikedamaruコーチは活動名を変更しましたが、その理由は何でしょうか。
ikedamaru:元々mltdwnという名前でFENNELに3年ほど所属していて、そこからQT DIG∞に加入して1年戦いましたが結局FENNEL戦の勝率が1勝5敗か6敗で、僕が入ってから負けているんですよ。
その原因として僕がFENNELに対して変なリスペクトを持ちすぎているという話が挙がったので、心機一転しようと名前を変えて髪もばっさりいきました。
募集した意見「役に立った」

──今年の2月くらいにXでチームの悪いところを募集していました。集まった意見から参考になるものはありましたか。
ikedamaru:かなり知見は得られて、手伝ってくれる人が増えたのは良かったなと思っています。
一人が理学療法士の方で体のサポートをしてくれて、もう一人は戦略的なところに携わってくれていて、もう少ししたら発表があるかと思います。
──それはあのポストをきっかけに集まった感じでしょうか。
ikedamaru:そうです!それに加えて色々な事情があり、ご縁があって一緒に活動している形になります。
──お二人から見て、特に成長した選手はどなたですか。
misaya:kippeiちゃんじゃないかなと思います。最初入ってきたときは「こいつフィジカルだけだな」という感じでした。
ただ、norisenさんやikeちゃんからの個人フィードバックや僕と話すことで、どんどん上手いスモークになっていったので、努力量に関してはみんな同じくらいだと思いますが、成長率でいえばやっぱりkippeiちゃんだと思います。
ikedamaru:常に頑張っているのはNOBITAかなと思っていて、たまに怒りますが基本的にはえらくて頑張っているので。
一番成長したのはmisayaだと思います。そこにいるので恥ずかしいですけど(笑)
──経験豊富な選手になってくると伸び率は衰えるものだと思いますが、それでもmisaya選手ですか。
ikedamaru:今年はめっちゃやばいです、めっちゃ強いですコイツ。
フィジカルが最近注目されていますが、それだけじゃなくてIGLも上手くなったなと感じる瞬間が多いです。
自分たちが「将棋」と呼んでいる、1ラウンドごとに盤面を提示して話し合ったことが良い効果を生んでいるのと、そもそも本人の努力量が多いので一気に伸びましたし、さらに伸びると思います。
──2024シーズンのSplit3からYuran・kippei選手が新たに加わりましたが、最初と今で何か印象は変わりましたか。
misaya:Yuranはかなりプレイスタイルが変わったなと思っていて、QT DIG∞に入ったときはセーフティでたまにアグレッシブなセンチネルのイメージでしたが、ここ最近はマップコントロールにおいてトライする瞬間が増えたと思います。
人間性はずっとニコニコしている感じで変わっていないです。
kippeiちゃんはただただうまくなりましたね。
ikedamaru:Yuranめっちゃ良いですね。プレイスタイルを変えてから良くなったと思いますし、それこそXで募集した意見の中にYuranのポジションについて指摘されたものがあったので、それを共有して動きを変えてから化けましたね。
kippeiちゃんはいつも通りかわいいですね。頑張っていると思います。
──QT DIG∞は世界と比べたとき、どのあたりにいると思いますか。
misaya:…なるほど、これ難しいよね。
ikedamaru:いや~、言いたくないね~(笑)
misaya:以前Masters Tokyoに来ていた海外のチームとスクリムした時は悪くない感触だったので何とも言えないです。
今でいえば、個人的にVCT Pacificが全地域の中で一番強いと思っていて、なめていると思われるかもしれませんがEMEAは意外といけるのかなと考えています。
…これヤバいね(笑)
ikedamaru:こんなこと言っていますけど今年に入ってからリーグチームに勝てていないんですよね。
ただ、そこから得られるものがたくさんあるので大会では内容が良いことが多いです。
個人的にはまだ差があると思っています。
misaya:EMEAの試合をよく見ますが、世界のチームとは少しの差しかないと考えていて、その差を埋めるのはとてつもなく大変ですが、もしそれが埋められたらどの地域でも戦えると思います。
──少しの差というのは具体的にはどのようなものですか。
misaya:アングルやコールの部分だと思います。例えばコールについては、コールに正解はないもののリーグチームは可能性が6割の択を選ぶ一方で、僕たちは4割の択を選ぶことが多いというような差です。
──そこは努力で埋められるものなのでしょうか。
misaya:間違いなく努力で埋まると思います。

今回はQT DIG∞のmisaya選手・ikedamaruコーチにインタビューさせていただきました。
2度ファイナリストの壁に阻まれてきたQT DIG∞の、壁を撃ち破る瞬間には目が離せません!
ご対応いただき、誠にありがとうございました!
QT DIG∞各種リンク
X:https://twitter.com/QT_DIG
公式HP:https://qtdig.com
YouTube:https://www.youtube.com/@QT_DIG
misaya選手各種リンク
X:https://twitter.com/misaya_vl
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ikedamaruコーチ各種リンク
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取材・執筆:eスポーツニュースジャパン編集部/h1ro