「とにかく目の前の相手を倒す」BABOを迎え入れて2025シーズンに挑戦するRRXにインタビュー!
2024年末にVALORANT国内競技シーンの年を締めくくる大会「VALORANT Challengers Japan 2024 Split3」が開催されました。
多くのプロチームが出場したSplit3ですが、その中でも素晴らしい活躍を収めたアマチュアチームの存在がありました。
その名もBABOで、この度はそのBABOを獲得し「VALORANT Challengers Japan 2025 Split1」に出場するプロチームRRXの玉井オーナー、Ady選手、Marin選手にインタビューさせていただきましたので、その様子をお届けします。
チーム設立やBABO勧誘経緯、急遽加入したMarin選手の状況などについてお聞きしましたので、ぜひご覧ください!
Contents
eスポーツへの想い「チーム運営は避けられない運命」
──まずはじめに玉井さんにお伺いします。RRXというチームを設立した経緯を教えてください。
玉井オーナー(以下敬称略):RRXは僕ともう一人が共同でオーナーを務めていて、その方ともともと仲が良く、eスポーツに興味があるというお話をいただき「一緒にチームを作らないか」と誘われました。
RRXはREVE RISE MAXの略称ですが、REVE RISEには「上昇していく」という意味があり、チーム・選手含めて夢や目標に向かって上がっていきましょうという想いが込められています。
──元々Apex Legends部門を保有されていたかと思いますが、今回のタイミングでBABOを獲得した理由は何だったのでしょうか。
玉井:僕も長年eスポーツチームの運営に携わり、国内問わず世界でもVALORANTは競技的に熱いものだと思って見ていたので、そこに対して参入したいという気持ちは設立当初から持っていました。
ただ、タイミングや運営するにあたっての必要資金など、揃えなければいけないピースは諸々ありました。
VALORANT部門設立のために色々と準備をしてきたのですが、そのような中でBABOが昨年のSplit3 Advance Stageでアマチュアながらもとても良い成績を収めていたので、そのままRRXに勧誘したという形です。
Split3は大会の規定でRRXという名前で出場することができなかったのですが、Main Stage開幕時点では既に我々の会社に所属していました。
そして2025 Split1からはBABOからRRXという名前に変更して出場します!
──玉井さんはBC SWELLの方でも運営に携わっていたかと思いますが、一度離れて再びeスポーツチームの運営をするということで、何か特別な想いなどはありましたか。
玉井:eスポーツチームの運営に長く携わってきて、運営の厳しさや大変さというのは身に染みているのですが、色々なチームで経験を積んでいく中で、「選手にとってやりやすい環境とは何か」など多くのことを勉強してきたので、その経験を踏まえてRRXを運営していければと思っています。
僕個人としては、BC SWELLと別れてからeスポーツチームを少し離れていたのですが、巡り巡ってチーム運営のお誘いが来るということは、eスポーツチームの運営は自分の人生にとって避けられない運命なのかなと思いました(笑)
RRXは自分の持つチームなのでもっと有名なチームにしていきながら、うちに所属する選手たちがメリットなどを感じてくれるような組織作り、ファンを増やしていけるようなイベントや企画などはやっていきたいです。
AdyにとってのSplit3「初大会・異国の地で良い経験を得た」
──それではAdy選手、Marin選手両名にお伺いしていければと思いますが、まずはSplit3の感想をお願いします。
Ady選手(以下敬称略):Split3の最初は良い感じだったのですが、最後の方は良くなかったので、Split1では切り替えて勝ちたいです。
Marin:今まではレイズやジェットが多く使われていましたが、今回はネオンがめちゃめちゃ強いパッチでの大会で、もちろんネオンが入っていたり、チームによってはヨル・アイソを採用していたりと、オフメタ構成を使用しているチームが多くてカオスだったなと印象です。
ギリギリでしたが勝ち切れてよかったなと思います。
──Ady選手はSplit3が初めての大会かつ異国の地日本での活動でしたが、その面ではいかがでしたか。
Ady:初大会で異国での大会でしたが、コミュニケーションでの不安はなかったし、むしろ良いチームメイト達と出会って良い経験になったと思います。
──今お話しさせていただいていて、日本語が非常に堪能という印象を受けているのですが、どのように勉強されたのですか。
Ady:基本的には日本のクリエイターやYouTube、アニメなどを見て覚えたり、あとは少し勉強しました。
──NOEZ FOXXやSengoku Gaming、IGZISTといった強力なチームを相手に勝利を収めてきましたが、Split3全体で印象に残る試合はありましたか。
Ady:全部印象に残りましたが、やっぱり初大会・初試合のNFX戦が一番印象に残りました。
──Split3 Main Stageでは日本王者に輝いたRIDDLEと戦いましたが、何か感じたことはありますか。
Ady:日本一のチームということでやっぱり強いなと感じましたが、すぐに肩を並べられるようになるという感じもしました。
──続いてMarin選手にお伺いするのですが、2024シーズンは経験豊富なメンバーが揃っても悔しい結果になることが多く、苦しい時間を過ごしました。やっとの思いでSplit3 Main Stage進出が決まった瞬間はどのような気持ちでしたか。
MarinにとってのSplit3「何よりもホッとした」
Marin:Main Stage進出を掴み取って嬉しかったし、何よりホッとしました。
日本王者を目標にしてきているので、Main Stageはその最低ラインなので安堵感がありましたね。
ただ、日本王者のRIDDLEとは別のグループで戦ったわけでもないし、BABOに負けてしまっているので、嬉しさはありつつ自分たちの足りないところも実感していました。
──Split1・2ではなぜあまりうまくいかなかったのでしょうか。
Marin:2024年以前もそうでしたが、大会前になるとメンバー間のトラブルなど“何か”が起きるんですよね(笑)
実際2024シーズンのSplit1では5人集めて練習して大会に出場する直前に、1名が諸事情で出られなくなってしまい、コーチのSylFyさんが出場しました。
SylFyさんも善戦してくれたのですが、惜しくも勝てないという結果になりました。
Split2では新しく加入したeKoがチームを良くしてくれて、Adyくらい日本語が上手な選手ですし頑張ってくれたのですが、Split1・2共通して絶対的なIGLが不在で、まとまりきれていなかったのは要因としてあるかなと思います。
あとは結果的に日本王者になるRIDDLEに敗北して、そのRIDはAscensionまで進むといった形で、純粋にRIDが強かったです。
あの時は自分の1ミスでマップを落としてしまって、それがなければ3マップ目まではいったのかなと感じる悔しい試合だったのでよく覚えています。
──逆にSp3でうまくいった要因は何でしょうか。
Marin:NFXのIGLであるBlackWizの加入や、thiefyやEsperanzaといった若い選手が入ってきて、BlackWizがIGLとしてチームをまとめてくれたことが大きな要因として一つあります。
あとは自分が苦手としているRIDDLEとは別のグループになったというのも大きかったですね(笑)
時間が巻き戻って、もしRIDDLEと対戦したら勝てるのかなという不安は正直ありました。
──大会においては対戦組み合わせの運も重要になってきますよね。例えばFAV gamingは毎回最終的に良い結果を残すチームと当たっていますし。
Marin:そうですね(笑)
──NOEZ FOXXはMarin選手が現在所属するRRX(以前はBABO)に敗北してしまいましたが、あの時はどのような印象を受けましたか。
Marin:チーム的な動きに関してはNFXの方が上手くできていたのかなと思いますが、RRXの土壇場での火力、例えばYowamuのエントリーだったり、人数不利になったときのプレイが上手いなという印象でした。
こっちが有利な状況を作れているにもかかわらず、フィジカルで押し切られてしまうシーンが多くありました。
現在について「とにかくチームが決まって嬉しい」
──ここからは現在の状況についてお伺いできればと思います。Split3が終了してYowamu・Ask・ScoPe選手、shoushiコーチといった多くのメンバーが脱退してしまいましたが、Ady選手はこのことについてはどう感じていますか。
Ady:短期間でメンバー集まって1か月くらい練習しましたが、みんな仲良しで途中のブートキャンプでも一緒に生活したほど良い雰囲気で活動できていましたし、大会の成績も良かっただけに今回一緒に出場できない悲しさはあります。
──逆に新たに加入した選手の印象についてはいかがですか。
Ady:新メンバー全員フィジカルが強くて、そのフィジカルをどうやって大会で発揮して、どうやって活かしていくのかわかれば良い結果が得られると思います。
──続いてMarin選手にお伺いします。チームを脱退してトライアウト先を探していたかと思われますが、受け入れてくれたチームは1チームのみということで、その時焦りなどは感じていましたか。
Marin:NFXを脱退したのが1月28,29日で、脱退した頃には他チームのトライアウトはどこも締め切っていました。
年明けにトライアウトを受け入れてくれるチームが1チームありまして、そこで1月3,4日の2日間でトライアウトを受けましたが、その翌日に不合格を知らせる連絡が来ました。
大会にエントリーできる締め切りが1月6日で、あと1日しかなくチームもない状態だったので、Split1はスキップしてSplit2までに仕事したり配信しながら準備していこうと考えていましたね。
ただ、そのタイミングで玉井さんの方から「スタンドインとしてプレイしてみないか?」とお話をいただいて、ギリギリではありましたがSplit1に出場できることになりました。
──逆に玉井さんはギリギリの状況でMarin選手獲得を決断したことになりますが、どのような背景があったのでしょうか。
玉井:競技をやっていくのは選手たちなのでAdyと密に連絡を取って、選手たちが挙げていた候補の中でMarinさんと一緒に出場したいという意見を受けました。
それであれば選手たちのやりたいことを叶えるために、僕が一生懸命Marinさんを口説きました(笑)
──Marin選手はギリギリでSplit1出場が決まったわけですが、RRXに加入が決まった瞬間の心情はいかがでしたか。
Marin:唯一のトライアウトを落ちた時点で、ランクをめちゃめちゃやってSplit2までにチームを探そうかなと思っていたのですが、今本当にランクでチーターが多すぎて…(笑)
「俺、Split2までこのチーターまみれのランクでモチベーションを保てるのか?」という感じで不安だったのですが、そこにRRXから声をかけてもらい、Split2まで選手としてスクリムや大会に参加ができることが決まって嬉しく思いました。
RRXのメンバーもAdyとkurozootedさんで両方とも強い印象でしたし、DelightにいたFloraも対戦してやられたシーンがあったので、そのような選手たちとともに活動できて嬉しいです。
さとぅーしはもともと知り合いですし、全員自分にとって良いメンバーが揃っています。
──ご自身のYouTubeチャンネルで「今の自分が今までのキャリアで一番強い」と仰っていましたが、Sp1における自信のほどはいかがですか。
Marin:個人的な部分で言うと調子は上がっている方だと思いますが、チーム決まったのが1月6日くらいでシーズン開幕が16日からになります。
練習期間が10日くらいしかないというのもありますし、個人の力だけでは勝てないと思うので、正直自信がそこまであるわけではないです。
ただ、フィジカルが強い選手が揃っているので、本来のフィジカルを本番でどれだけ発揮できるか、発揮するための声掛けは重要になってくると思います。
これからに向けて「目の前の一試合一試合に勝つ」
──最後にこれからに向けてということで、まずは玉井さんにお伺いします。RRXとしては近々始まるSplit1が初陣となります。オーナーから見てチームをどのように見ていますか。
玉井:どのタイトルもそうですが、VALORANTは特に心臓がぶち破れそうになるくらい緊張するんですよね。
選手たちもそうだと思いますが、観ている側も本当にドキドキするタイトルです。
心情としては楽しみだし頑張って欲しいというのが一番ですが、そのドキドキもエンタメとして楽しんでいきたいです。
盛り上がる大会になればいいなと思っています。
──RRXは2024年に設立されましたが、Apex部門も含めてこれからどのようなチームにしていきたいですか。
玉井:eスポーツチームの運営は難しいところがたくさんあり、チーム側も選手側もファンビジネスをやっているので、ファンの方々によりRRXを知ってもらうためにはどうすれば良いかを考えていきたいです。
より多くのコンテンツを発信したり、若い人たちにとってゲームはライフスタイルになっているので、そのライフスタイルにRRXというチームがどう寄り添えるかというところがカギだと思います。
そこが成功すれば選手たちへのサポートをより手厚くできますし、選手たちに多くのファンがつくことで選手たちの道が多岐に広がるので、どうすればファンの方々に喜んでもらえるのか、応援されるのかということをチーム・選手含めて全員が意識していければと思います。
──それではAdy選手、Marin選手からSplit1への意気込みと今年の抱負をお願いします。
Ady:Split1は一旦勝ちます。
今年の目標に関しては、自分はあまり計画性がないのでとにかく目の前のSplit1に集中していければと思います。
Marin:Split1は時間もなく他のチームと比べて連携力は劣ってしまいますが、若い選手やフィジカルが強い選手も揃っているので、楽しみながら若い選手たちが存分に実力を発揮できるようにまとめていければなと思います。
抱負については結構バタバタで、RRXも一旦はスタンドインとしての加入でSplit1以降どうなるかわからず、今年の目標は定まっていないので、Adyと同じようにSplit1にフォーカスして目の前にある一試合一試合を勝っていければと思います。
──最後にファンの方へメッセージをお願いいたします。
Ady:いつも応援してくれてありがとうございます。今回も良い成績を出せるように頑張ります!
Marin:Split1とにかく勝ってMain Stageまで行って、Advance Stageは配信がないので勝ってMain Stageに進出して、ファンの方に試合をお見せできればと思います。
Split1頑張ります!応援よろしくお願いします!
今回はVALORANT Challengers Japan 2025 Split1 Advance Stageに出場するRRXの玉井オーナー、Ady選手、Marin選手にインタビューさせていただきました。
お忙しい中ご対応いただき誠にありがとうございました!
玉井オーナー各種リンク
・X:https://twitter.com/CSE_Aloha
Ady選手各種リンク
・X:https://twitter.com/adcbbbzz
・Twitch:https://www.twitch.tv/adcbbb
Marin選手各種リンク
・X:https://twitter.com/Marin_VLRT
・Twitch:https://www.twitch.tv/malinho_vl
・YouTube:https://www.youtube.com/@%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%82%87
RRX各種リンク
・X:https://twitter.com/RRX_REVERISE
取材・執筆:eスポーツニュースジャパン編集部/h1ro