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【東京eスポーツフェスタ2026】「毎日6時間『VALORANT』をプレイ。若者に負けるのが本気で悔しい」 70歳のシニアプロが語る、定年後の無気力な生活を救ったのはeスポーツという名の“生きがい”だった【レポート】


2026年1月9日から1月11日まで、東京ビッグサイトにて「東京eスポーツフェスタ2026」が開催されています。

東京eスポーツフェスタ2026は、eスポーツの普及と関連産業の振興を目的として、東京都などが主催する国内最大級の総合イベントです。2020年の初開催から数えて今回で7回目を迎え、2026年1月9日から11日までの3日間、東京ビッグサイトを舞台に開催されています。

▲東京eスポーツフェスタ2026 初日オープニングセレモニーの様子。左から篠原光さん(MC)とスタンミじゃぱんさん(公式アンバサダー)

『ストリートファイター6』『eFootball』『ぷよぷよeスポーツ』などゲームタイトルを採用した「東京都知事杯eスポーツ競技大会」をはじめ、公式アンバサダーを務める「スタンミじゃぱん」さんによるトークショー等、eスポーツの多角的な発展を象徴する内容となっています。

また、産業振興の側面も強く、都内の中小企業や教育機関などが約50のブースを出展して最新の技術やサービスを披露。eスポーツ関連団体ならびに企業陣による発表を含め、ビジネスデイ(1日目)には企業間の交流を促すセミナーも行われました。

▲東京eスポーツフェスタ2026 初日サウスステージ スケジュール

本稿では、東京eスポーツフェスタ2026/1日目に催されたパネルディスカッション「eスポーツ×高齢者福祉の現在地~ゲーマー世代が後期高齢者になる未来へ向けて~」の模様をレポート形式でお届けします。

eスポーツが繋ぐ高齢者福祉の未来 ―― 認知症予防から「本気」の競技生活まで

東京eスポーツフェスタ2026の初日に開催されたパネルディスカッション「eスポーツ×高齢者福祉の現在地」では、eスポーツが若者文化の枠を超え、健康維持や社会参加の強力なツールとして機能している現状について深い議論が展開されました。この日ステージに登壇したのは、eスポーツ業界に造詣の深い計5名の関係者です(以下、敬称略で登壇者を記載)

ファシリテーター
澤 紫臣(神奈川県 文化スポーツ観光局 非常勤顧問 eスポーツアドバイザー)
パネリスト
正廣 康伸(株式会社セガ グローバル e スポーツ推進部)
鈴木 浩(神奈川工科大学 情報メディア学科 教授)
mark25(MATAGI SNIPERS)
若狭 利伸(eSocial Cue 株式会社 代表取締役/社会福祉法人北杜 作業療法士)

まず株式会社セガの正廣氏は、パズルゲーム『ぷよぷよ eスポーツ』を活用したシニア層への多角的なアプローチを紹介しました。同社にはシニア関連の問い合わせが年間約500件寄せられており、多世代交流やフレイル(虚弱)予防への関心が高まっていることを背景に、落ちる速度を調整できる「0.5倍速モード」の実装や色覚多様性への配慮など、「高齢者が参入しやすい環境整備を進めている」とのこと。自治体との連携事例も豊富で、熊本県三里町や神戸市のシニア専用施設、さらには「ねんりんピック」への採用を通じて、eスポーツが地域コミュニティの活性化に寄与していることが具体的に示されました。

また、現役のシニアプレイヤー(現在70歳)として登壇したmark25選手(マタギスナイパーズ)の体験談は、eスポーツが個人の生きがいに与える影響を鮮明に伝えました。同選手は毎日5時間から6時間もの時間を『VALORANT』などのFPSゲームの練習や動画配信に費やしており、退職後の無気力な生活から一転、「仲間に迷惑をかけられないという責任感や、ランクアップへの意欲が生活に規律と目標をもたらした」とコメント。若者とのスキルの差に本気で悔しさを滲ませるその姿勢は、eスポーツが単なる娯楽ではなく、高齢者にとっても「本気」で取り組める自己研鑽の場であることを物語りました。

科学的根拠に基づく福祉の観点からは、神奈川工科大学の鈴木教授が開発した「サンコロビンゴ」の事例が注目を集めました。このゲームは脳トレ・運動・コミュニケーションの三要素を統合しており、サイコロ型のデバイスを用いることで学習コストを抑えつつ、高い認知症予防効果を狙っています。

さらに、秋田県で活動する作業療法士の若狭氏は、地域コミュニティにおける継続の鍵として、単にゲーム機を置くだけではなく「場を盛り上げる介在者の存在」が極めて重要であると発言。実証実験の結果、eスポーツを継続したグループでは歩行速度や言語記憶、課題処理能力の向上、さらには抑うつスコアの改善が確認されており、身体機能と精神面の両方に好影響を与えることがデータで裏付けられています。

今後の展望として、インベーダーやファミコンブームを経験した世代が後期高齢者となる時代に向け、eスポーツを福祉として導入する際の「健康効果」「ユニバーサル性」「社会性」「コスト」という四つの評価軸が提示されました。

若狭氏は、「既存の福祉施策にeスポーツを手法として柔軟に組み込む姿勢が重要」だと述べ、持続可能な支援体制の構築を強調しました。最後にmark25選手が述べた、「健康や生活基盤の安定に加え、高い目標を持って取り組むことが何より大事」という言葉は、人生100年時代においてeスポーツが、高齢者が孤独を解消し世代を超えて笑い合うための新たな社会インフラになる可能性を象徴していました。

東京eスポーツフェスタ2026 公式サイト
https://tokyoesportsfesta.jp/
東京eスポーツフェスタ2026 公式X
https://x.com/esportsfesta
東京eスポーツフェスタ2026 公式Youtube
https://www.youtube.com/@東京eスポーツフェスタ

執筆:eスポーツニュースジャパン編集部

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