【東京eスポーツフェスタ2026】賞金総額7000万ドルの衝撃、そして「国家の威信」をかけた戦いへ。サウジアラビアが主導する“eスポーツバブル”の正体と、世界が再評価する日本独自の「推し活」文化【レポート】
2026年1月9日から1月11日まで、東京ビッグサイトにて「東京eスポーツフェスタ2026」が開催されています。
東京eスポーツフェスタ2026は、eスポーツの普及と関連産業の振興を目的として、東京都などが主催する国内最大級の総合イベントです。2020年の初開催から数えて今回で7回目を迎え、2026年1月9日から11日までの3日間、東京ビッグサイトを舞台に開催されています。

『ストリートファイター6』や『eFootball』、『ぷよぷよeスポーツ』などゲームタイトルを採用した「東京都知事杯eスポーツ競技大会」をはじめ、公式アンバサダーを務める「スタンミじゃぱん」さんによるトークショー等、eスポーツの多角的な発展を象徴する内容となっています。
また、産業振興の側面も強く、都内の中小企業や教育機関などが約50のブースを出展して最新の技術やサービスを披露。eスポーツ関連団体ならびに企業陣による発表を含め、ビジネスデイ(1日目)には企業間の交流を促すセミナーも行われました。

本稿では、東京eスポーツフェスタ2026/1日目に催されたテーマセッション「グローバル×eスポーツ」(2部制)の模様をレポート形式でお届けします。
サウジアラビアの国家戦略「ビジョン2030」が、eスポーツを“石油に代わる資源”に変えるまで
東京eスポーツフェスタ2026・ビジネスデーの最終セッションとして行われた「グローバル×eスポーツ」では、国際社会における産業の急激な発展と、海外から見た日本市場の立ち位置、そして次世代を担うプレイヤーたちの未来像について、二部構成で深い議論が交わされました。

第一部「社会におけるeスポーツ産業の発展」では、日経Gamingの平野亜矢氏をファシリテーターに、イベント制作、チーム運営、プロプレイヤーそれぞれの視点から、サウジアラビアで開催された「Esports World Cup(EWC)」がもたらした衝撃が語られました。
2025年に開催されたEWCは、賞金総額7000万ドル、視聴者数7億5000万人という桁違いの規模であり、サウジアラビアが石油依存からの脱却を目指す国家戦略「サウジビジョン2030」の一環として、数兆円規模の予算を投じている実態が紹介されました。

株式会社RIJECTの甲山翔也氏は、この大会によって世界中のチームオーナーやパブリッシャーが一堂に会する場が生まれ、ビジネスモデルの国際的な比較が可能になったと指摘しました。特に、勝敗に直結するドライな海外のモデルに対し、日本特有の「推し活」に代表される強固なファンコミュニティ文化が、海外選手からも再評価されているという興味深い現状が明かされました。

また、EWCの総合順位で上位を狙うために、日本チームがアメリカや中東の選手を獲得し、アブダビなどに拠点を構えるグローバル化の動きも加速しています。DetonatioN FocusMe所属のGO1選手は、EWCの格闘ゲーム部門で優勝し、個人とチーム合わせて約1億円の賞金を獲得した経験を振り返り、「目標となる国際大会が増えたことが選手にとって大きな活力になっている」と語りました。

制作面では、株式会社GLOEの古澤明仁氏が、サウジアラビアの派手な演出に驚きつつも、「選手のプレイ環境を整える”おもてなし”の精神や緻密な運営能力において、日本は依然として世界トップクラスの強みを持っている」と分析しました。
11歳から格闘ゲームを始め、16歳で舞台に立つ。サウジの学生プレイヤーが「日本のプロ」を研究し、人生をかけて世界最高峰を目指す熱意の源泉
第二部「海外学生eスポーツプレイヤーの今、そして未来」では、サウジeスポーツ連盟(SEF)のマネージャーであるヤジード氏と、現役の学生プレイヤーたちが登壇しました。

サウジアラビアでは、学校や大学リーグからプロリーグへと至る明確な育成パスが整備されており、「選手だけでなく、マネージャーやコーチを育成するための教育プログラムも充実している」とのこと。登壇した学生プレイヤーの中には、大学で医学を学びながら毎日練習に励む者もおり、11歳から格闘ゲームを始めて16歳でトーナメントに出場するなど、非常に若い段階からプロ意識を持って活動している実態が明かされました。
彼らは日本のプレイヤーレベルを「非常に手強いく、尊敬すべき対象」と捉えており、日本のプロチームやコーチの存在を深く研究した上で、国際交流試合に臨む熱意を示しました。将来の目標として、彼らは一様にEWCのような世界最高峰の舞台でトッププレイヤーとして活躍し、自国を代表する存在になることを掲げています。eスポーツはもはや単なる娯楽ではなく、国家の威信をかけた競技であり、若者たちが人生をかけて挑戦する正当なキャリアパスとして確立されつつある現場が垣間見えました。

今後の展望としては、EWCに続き国別対抗戦である「Esports Nations Cup」の開催も予定されており、応援の軸が「個人」や「チーム」から「国家」へと広がることで、さらに大きな市場と熱狂が生まれることが示唆されました。eスポーツという共通言語を通じて、文化や言語の壁を越えた国際交流と産業の融合が、かつてないスピードで進んでいることが、本セミナーを通じて浮き彫りとなりました。
東京eスポーツフェスタ2026 公式サイト
https://tokyoesportsfesta.jp/
東京eスポーツフェスタ2026 公式X
https://x.com/esportsfesta
東京eスポーツフェスタ2026 公式Youtube
https://www.youtube.com/@東京eスポーツフェスタ
執筆:eスポーツニュースジャパン編集部





